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【Xserver】VPS vs レンタルサーバーを徹底比較【ブログ運営ならどっち?】

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お久しぶりでございます。BableTechのリニューアルに向けて様々な調節をしているわけですが、その一環として収容しているサーバーをXserverレンタルサーバーからXserver VPSに変更しました。

そしてこのブログも無事移行が完了してVPSの方で運営しているという状況です。

つまり私はXserverの二台サービス「レンタルサーバー」「VPS」の両方でブログ運営をしたことがあるといった感じなので、今回は両者の違いと、ブログ運営をするならどちらのサービスを使うべきなのかについて語っていきたいと思います。

この記事の要点

  • レンタルサーバーは一つの部屋をみんなで使ってる感じ。VPSでは部屋番号でしっかり分けられているアパートみたいな感じで、他の利用者の影響を受けにくい
  • Xserverレンタルサーバーの方がVPSよりもサーバーのスペックが比較的高く、ブログ運営にも向いている
  • Xserverレンタルサーバーの方が機能を追加しにくいが、既にブログ運営に必要な機能は一通り揃っているから問題ない
  • Xserverレンタルサーバーの方が知識が無くてもセキュリティ対策ができる
  • WordPressによるブログ運営をしたいだけというのであればXserver VPSを利用する意味はほとんどなく、レンタルサーバーを契約するべき

レンタルサーバーとVPSの違いってなんなん?

そもそもレンタルサーバーとVPSの仕組みの違いってどこにあるのでしょうか? どちらもクラウド上にあるサーバーを貸し出しているのでレンタルサーバーではあるのですが、厳密には違いがあります。

レンタルサーバー(共用サーバー)

レンタルサーバーでは一つの大きな物理サーバーの上に一つOSを置いて、その上にいくつかのユーザーを作ります。もちろん他のユーザーのファイルにアクセスすることはできないように設定されていますが、同じCPU、メモリをみんなで分担して使っている感じですので、サーバー内のある一人のユーザーが重たい処理を行ったせいで同じサーバー内の他のユーザーの処理が遅くなるなど、影響を受けてしまうことがあります。 とはいえ、私は5年間使ってきて特にそこらへんで困ったことはないですね。

また、各ユーザーには管理者権限が与えられておらず、一部のソフトをうまくインストールすることができなかったりします。ブログ運営の範囲であれば特に問題ありませんが。

このような共有サーバーシステムは、例えるならば一つの大きな部屋を大人数で使っているといった感じです。 ある一人の人がめちゃくちゃ物を置いてスペースをとってしまえば他の人に影響が出るし、基本的に住所(IPアドレス)も共通のものになります。

VPS(専用サーバー)

VPSでは一つの大きな物理サーバーをいくつかの仮想サーバーに分割して、それぞれを各ユーザーに与えているといった感じです。

仮想サーバー同士は基本的に影響を受けることが無いので好きなOSをインストールできますし、管理者権限も得れますし、他の人のCPU負荷に影響されることもありません。

例えるならばアパートのようなもので、部屋ごとに仕切りがついているので自分のためのスペースを確保することができますし、住所(IP)も違うものにできます。

ここら辺の違いについては以下の記事で丁寧に説明されていましたので是非ご覧ください。

https://kigyolog.com/article.php?id=519

サーバースペックを比較

ブログ運営と言えばやはり大事になってくるのはサイトの表示速度等に関わってくるパフォーマンス面ですよね。 レンタルサーバーとVPSでスペックが少し変わってきますので、そちらを振り返っていきましょう。

サービス レンタル(スタンダード) VPS 4GB VPS 8GB
月額
(1年契約)
1,100円 1,800円 3,600円
OS Linux(CentOS) 選択可
CPUの種類 AMD EPYCサーバー向け最新CPU
CPUコア数 6コア
(リソース保証)
4コア 6コア
メモリ 8GB
(リソース保証)
4GB 8GB
ストレージ 300GB SSD 100GB SSD 100GB SSD

ついでに月額ものせてみました。レンタルサーバー(共用サーバー)の方にはいくつかプランがありますが、その中でも最も多くのブロガーに使われているであろうスタンダードプラン(一番下のプラン) をピックアップしました。

VPSにもいくつかプランがありますが、その中で一番使われているであろう4GBと8GBプランをピックアップしました。

先ほども説明した通り、レンタルサーバーではOSが基本的に決まっているのに対してVPSではOSから好きなものを選ぶことができます。 ただ、ブログ運営を行いたいだけでサーバーのこともよくわからないし… というのであればXserver側が勝手にOSなどのアップデートもしてくれるような「レンタルサーバー」の方がおすすめです。

CPUの種類としては共通で、いずれのサービスでもAMDの割と新しめのサーバー向けCPUが使われています。レンタルサーバーやAWSなどのインフラ系のサービスの中では割と最先端な方だと思います。とても高性能ですね。

ただもちろんそんな高性能なCPUを丸ごと一人で使えるわけではありません。 レンタルサーバーのスタンダードプランでは先ほど説明したようにコア数の縛りがあるわけではない(みんなで使っているから) のですが、目安として一人当たり6コアずつと決められています。

あるユーザーにおけるCPU使用率が常時6コアを上回る場合、上位プランにアップグレードしなければならなくなるみたいです。逆に、6コアまでのリソースはある程度保証されているといった感じですね。

そのため、一瞬であれば6コア以上のCPUをフルで使ってよいという点ではレンタルサーバーの方がパフォーマンスが高いと言えるかもしれません。特に、ブログ運営では急にアクセスが伸びたりして急に高い性能が必要になったりするので、そこら辺の疑似スケーラビリティを持っているという点ではレンタルサーバーの方がブログ運営には向いていると言えそうです。

ただしスタンダードプランで、月間アクセス20~30万PVくらいだった時にリソースモニターを確認してみたところ、(サイトによると思いますが) 平均して1コアも使っていないくらいだったので、月間100万アクセス以下のブログであれば特にCPU性能に関して気にする必要はなさそうです。

一方でVPSの4GBプランはレンタルサーバーよりもCPUのコア数や割り当てられているメモリ容量が少ないにもかかわらず、利用料金は高めですね。 3,600円のプランでようやくレンタルサーバーと同じだけのリソースを確保することができます。

ただしVPSということで他のユーザーに邪魔されずにCPUリソースを確保することができるので、突発的にアクセス数が増えたりはしないけど安定してサービスを提供したい(例えばWebアプリとか、ゲーム用のサーバーとか) という状況では活躍するでしょう。

ただしブログ運営ということであれば特に恩恵を受けることはなさそうです。

ちなみにこちらVPS 4GBプランのリソース情報です。なんか単位がmsecになっていてわかりにくいですが、これはCPU時間と呼ばれるもので、ある1分の間のうちどれくらいの時間CPUをフル稼働させたかみたいなのがわかります。

例えば一番高くなっている8時ごろは20秒CPU時間/分ですので、割り当てられているコア数が4コアということを考えると20/240 = 8%程度。 つまり全体として割り当てられているリソースの8%程度しか使っていないことになります。 これは恐らくバックアップかなんかをしたときの処理で、月間アクセス30万PV程度であればCPU使用率を5%以下にとどめることができそうです。

そのためVPSの方が料金が高いのに割り当てられているコア数が少ないからといってブログ運営に支障が出るほどではないといった感じです。

ただBableTechがまだそこまで大きなサイトじゃないので体感で変わらないと感じているだけで、実際もっと成長したら恐らくレンタルサーバーを使っている方がコスパ良く感じてくると思います。

また、レンタルサーバーを比べてVPSはストレージの容量が少ないのが中々つらいですよね。正直大半のブログでは全体ファイルサイズが50GBを上回っていないと思うので実際そこまで問題にはならなそうですが、やはり容量が多いのに越したことはないです。

ブログをいくつも運営したいとなるとやっぱりレンタルサーバーの方が良いかなといった感じですね。

機能の比較

レンタルサーバーとVPSとでは提供している機能も大きく変わってきます。 結論から述べると、

  • レンタルサーバー ➡ あまり独自で機能を追加できないが、ブログ運営をする上でほしい便利機能は既に揃っている
  • VPS ➡ 既に用意されている機能は少ないが、自分で割と自由自在に機能を追加できる。なおサーバー管理の知識が結構必要

といった感じです。

Xserverのレンタルサーバーには本当にたくさんの機能が盛り込まれています。

バックアップの機能をはじめとし、アクセス制限をかけたりリダイレクト設定を行う.htaccessの編集が簡単に行えたり、WordPressを数回クリックするだけで5分くらいで簡単にインストールすることができたり、メールアカウントを爆速で作れたりデータベースの管理もphpMyAdminなどによってしやすくなっていたり(セキュリティ対策も施されている)

PHP Versionをすぐに切り替えられたりSSL設定が一瞬でできたりと、ブログ運営に必要な機能をサーバーの知識があまりなくても簡単に利用することができます。

今回Xserver VPSでブログを構築するにあたってこれらの機能を一から自分でコマンドを打ったりして実装したわけですが本当に大変でした。 このレンタルサーバーの機能のすごさに改めて気づけましたね。

また、XPageSpeedやサーバーキャッシュ設定、Xアクセラレータなどの機能も一瞬で設定することができ、サイトのパフォーマンスも手軽に高めることができます。個人的にこの機能はあんまりおすすめしていませんが。

以下の記事でサイトのパフォーマンスを向上させる方法は語っていますね。

【モバイル99点】ブログを爆速・軽量化する手順【WordPress】

【モバイル100点】プラグインなしでWordPress爆速化【阿部寛に勝利】

ちなみにXserver レンタルサーバーですが、WordPressを高速で実行できる仮想環境である「KUSANAGI」というサービスの技術が応用されているみたいで、かなりWordPressに特化しています。もはやブログ運営のために生まれているまでありますね。

ただし先ほども説明した通りレンタルサーバーには管理者権限が無いので、例えばプロキシサーバーなどを建てたりして一つのドメインの下でアクロバティックに複数のサービスを提供するようなサイト・Webアプリを作るのは難しいです。 Nuxt.jsなどのフレームワークで作ったアプリをデプロイすることはやろうと思えばできますが、そういったWebアプリを開発するときは圧倒的にVPSの方が都合が良いです。

※この度BableTechではWebアプリ開発にも力を入れようと考えていて、VPSへの移行に踏み切りました。プロキシ系の機能も使っていたりします。

一方VPSパネルですが、ご覧の通り機能がめちゃくちゃ少ないです笑 サーバーのリソース確認、OSの再インストール、ディスクイメージの作成(バックアップのようなもの) 、接続許可ポート設定等、サーバーの基本的な設定しかできません。

もちろん他の細かい設定はSSHを使ってコマンドをカタカタと打って自分でやることができます。管理者権限があるのでいくらでも細かく設定できますが、結構専門的な知識が必要になってきます。

ただ、VPSにOSをインストールするときにOSの選択だけでなく、インストール時点で組み込んでおくアプリケーションの選択もある程度行うことができます。

公式ホームページ:https://vps.xserver.ne.jp/os-list.php

例えばKUSANAGI環境を選択しておけば、OS(CentOS stream)のインストールと同時に自動でKUSANAGI仮想環境も導入されるので、WordPressが構築しやすくなります。

しやすくなるだけで結局コマンドを結構打たないといけないので、Xserverレンタルサーバー上でのWordPress構築に比べたら圧倒的に面倒くさいです。

ただしKUSANAGI環境を利用することでサーバーキャッシュ機能なども簡単に使えるようになるので、レンタルサーバーの方にしかなかったらXアクセラレータやXPageSpeedといった機能を補完することができそうです。

実際にサイトの表示速度的にはレンタルサーバーでもVPSに移行しても100点満点のままでした。

【モバイル99点】ブログを爆速・軽量化する手順【WordPress】

【モバイル100点】プラグインなしでWordPress爆速化【阿部寛に勝利】

ただし、レンタルサーバーの方ではApache2とNginxが融合しているのでhtaccessなどの設定ファイルが使えてリダイレクト設定などがしやすかったのに対して、KUSANAGIだと基本的にNginxのみとなるので (Apacheも選べるが、パフォーマンス的にNginxの方が良い) Nginxの学習コストがかかりましたね。

恐らくWordPressにはApache2の方が相性が良く、多くのプラグインもApache2上でWordPressが動いていることが想定されていて、Nginxだと一部のプラグインをうまく使うことができなかったりします。

そこもNginxを勉強しまくって何とか乗り越えましたが、やはりApache2で設定ができてNginxによるパフォーマンスの恩恵も得ているXserverレンタルサーバーの方はブログ運営では最適ということが分かりました。

セキュリティ面を比較

XserverレンタルサーバーではOSからミドルウェア(Apache2等)、PHPなどの環境まですべて運営側が管理してくれているので、自分でアップデートを行う必要がなく運用の手間も省けますし、セキュリティ面でも優れていると言えます。

PHPバージョンは自分で切り替える必要がありますが、そんなのワンクリックです。

最近ではWAFというWebアプリにおける脆弱性を対策するためのシステムが導入されていたりメール周りのセキュリティも整っていたりして、本当にすごいです。

データベースサーバーもポート開放されていなくて外部からアクセスできないようになっていますし、phpMyAdminなどのデータベース管理ツールにもしっかり対策が施されています。

一方でVPSではポート開放やファイアウォールの設定、諸アプリケーションのアップデート等をすべて自分で行わないといけないので、運用のコストが高いうえにセキュリティ対策も難しく、結果的にレンタルサーバーよりも脆弱性が見つかりやすいです。

そのため専門知識があるならまだVPSでも良いのですが、あまり知識無いまま使ってしまうのは危ないですし、そういう方は問答無用でXserverレンタルサーバーを使うべきですね。

というか何度も言っている通り、ブログ運営だけというのであればXserver VPSは使う必要ありません。

結論:Xserverレンタルサーバーの方がブログ運営には向いている

結論は言うまでもないですが、基本的にWordPressによるブログ運営だけをしたい場合はXserverレンタルサーバーで大丈夫です。価格的にも、性能的にも、機能的にも、すべての面において優れています

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(アフィリエイトリンクは購入者は別に得しないし…)

ただ、同じサーバーの中でWordPressブログ以外にもPythonのDjangoとかのフレームワークを使ってWebアプリを作りたいとか、Laravelなどのフレームワークを使いたい… とかリクエストURLによってサーバーを切り替える(ポート番号等で) などしてあらゆるサービスを一つのサーバーに入れ込みたいという方であれば、VPSを使うべきです。

もちろん専門知識はかなり要りますが。 そうなったらインフラ系からバックエンド・フロントエンドまでの幅広い知識が必要になってくるので相当ハードルが高いとは思いますが…

そして現在BableTechは新しく様々なサービスを始めようとしているところですね! このブログはBableTechの提供するサービスのうちの一つに過ぎず、他にも様々なWebアプリ等を作っていこうと思っております。今後もよろしくお願いします。


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