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【Connect Chat】DMMがVRサービスをあきらめた理由とはいかに【メタバース】

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ネット上でコミュニケーションをとる時代はとっくに始まっています。そして最近ではネット上に仮想空間を作ってVRなどの機能を使ってあたかも現実世界かのようにネットの人と交流をとる「メタバース」と呼ばれる考え方が注目されてきています。世界的に注目されるようになったのはVR元年とも呼ばれる「2016年」からです。

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そしてゲームや動画などのコンテンツを始めとし、幅広い事業を行っている「DMM.com」は2018年にVR labを結成し、仮想現実(VR)を駆使したサービスの展開に努めてきました。その結果、満を持して誕生したのが「DMM VR Connect」「Connect Chat」などのサービスです。しかしDMMより8月12日に、8月31日をもってこれらのサービスを終了する旨が発表されました。 この記事では、メタバースについて盛り上がっている現在、なぜDMMがこれらのVRサービスの提供を終了することを選択したのかについて考察していきます。

 

 

DMMのVRサービス「VR Connectβ」「Connect Chat」とは

DMMといえばゲームや動画。小さいころからいろんな意味でお世話になってきましたね笑 前々からVR動画などのサービスを提供していて、私も2年前くらいにDMMのVR動画対応のVRゴーグルを購入した覚えがあります。こちらで試しにDMMのVR動画を見てみた覚えがありますが、あれは本当にすごかったです。実際に触れるわけでもなく、別ににおいが再現されているというわけでもないのですが、右を見ても左を見ても映像の中、そして包まれるようなサウンド、、 あたかも別世界にテレポートしたかのような感覚でした。 そんなDMMのVR系サービスですが、実は2022年の春に「VR Connectβ」「Connect Chat」というサービスがリリースされていたようで(正直自分は知らなかったです) Youtube等で検索してみるといくつかレビュー動画のようなものが投稿されていました。

Youtubeより「デラとハドウ」さんのチャンネルの動画

この動画すごいですよね。VR空間の中で秋葉原のような街が作られていて、現実ではありえないような建物やオブジェなどが建てられていて夢があります。このように、DMMのConnect Chatでは自分で作ったアバター(VRMファイル)で、公式が作った空間や、他の誰かが作った空間にもダイブ(仮想世界に入り込むこと)することができるのです。しかも家にいながらライブなどのあらゆるイベントに参加できるなど、コロナ対策の一環にもなるようなサービスが様々提供されていました。

 

また、もう一つのサービス「VR Connect」については、Connect Chatをはじめとし、他のあらゆるサードパーティー製のアプリと連携してメタバースのアバターをゲーム内に登場させたりVR機能を盛り込んだりすることができました。自分で作ったUnityアプリについても、DMM VR Connect SDKというUnityのパッケージを利用することでアバターの読出しをすることができるようになっていました。 自社がVRサービスを提供するとともに、既存のゲームに自社のVR機能を盛り込むサポートを行うことでDMMのVRサービスを大きなものにしていこうという試みでしょう。

しかしそんな試みも、サービスがリリースされた2022年3月15日からおよそ5か月ほどで断念するかたちとなってしまいました。。 メタバースという事業が現在非常に注目されていて、多くの企業が手にかけようとしているだけあって、DMMのこの断念は非常に大きな選択となっています。一体なぜなのでしょうか。

 

 

 

DMMがVRサービスをあきらめた理由

私はDMMの会社員でもないし直接話を伺ったわけでもないので実際のことはわかりませんが、今回この記事を作るにあたってDMMのVR系サービスについてたくさん調べたことで、なぜDMMがVRサービスをあきらめてしまったのかある程度考察することができました。

 

宣伝が足りない・知名度が低い

DMMという会社の存在はほとんどの人が知っているかと思います。ただDMMといったら動画とかゲーム(VRではない)のイメージしかなく、メタバースに力を入れているという印象はありませんでした。私はこのサイトを運営しているくらいですから日ごろから割とクラウド系のサービスとかメタバースとかの情報を仕入れていましたが、実にDMMの「Connect Chat」というサービスについては今回初めて知る形となりました。 正直テレビでもニュースでもそこまで宣伝されておらず、VRに興味がある人にすらその存在を知ってもらってなかった可能性が高いです。 そもそもVRはDMMのサービスの中では割と小規模なもので、DMM全体としてはそこまで宣伝する気はなかったのでしょうか。。 実際、このサービスについてGoogleで調べたときもレビュー記事などあまり見つからなくて、なんだか細々とやっているなーという印象でした。

Twitter上で見つけたこのツイートではDMMのVRサービス終了について議論されていました。

 

 

競合が多すぎる

VRはここ数年で急激に注目されてきているだけあって、世界中の企業が注目しています。DMMがVR lab(事業部)をつくったのは2018年のことですが、例えばConnect Chatなどと似たような機能を持ち合わせているアメリカ生まれの「VRChat」というサービスなんかは2017年にサービスが開始されており、Connect Chatと比べると4年も早くはじまっています。VRChatはまだ日本語には対応していませんが、利用者数が非常に多く、イベントも多数開催されていてコミュニケーション系のメタバース市場を独占している形となっています。

そうなるとConnect ChatにはVRChatにはない何かずば抜けて素晴らしい機能が必要かと思いますが、実際のところVRChatで足りてしまうという現状です。コミュニケーション系のメタバースプラットフォームについては特に、人が多いところにさらに人が集まってくるので寡占市場になりがちで、ただでさえスタートが遅かったDMMが今更利用者数を多く獲得できる見込みはあまりありませんでした。 実際、利用者の声としては「人が少なくて寂しい」とか「飽きる」とかがありました。サービス開始当初は物珍しさで多くの人が集まって、人が人を呼んで成長していったのかもしれませんが、そう長くは続かないですよね。

 

 

利益が少ない

コミュニケーション系のメタバースプラットフォーム「Connect Chat」のほかに、ゲーム系の「VR Connect」サービスもありますが、こちらは個人向けに無料で利用することができ、自分で作ったゲームに簡単にDMMのアバター機能を付けることができました。ただ、個人向けとなると利用してもらったところでDMMのVR事業についてそこまで広く宣伝できるわけでもないうえに、利用料もかからないということであまり儲からない商売となっていました。

様々な事業を行っているDMMですから、雲行きが怪しくなってきたら割と早めに、潔く撤退するのでしょうか。このまま改善を重ねていけばうまくいっていたかもしれませんが、提供終了という判断をしたようです。

 

 

じゃあどうすればいいのか?

完全に私の戯言になってしまうのですが、コミュニケーション系のメタバースプラットフォームについても、多くの日本企業と連携してメタバース上で視覚的に(立体的に)お買い物ができるだとか、実際の映画が見れるだとか、仕事ができたり学校に通うことができるなど、現実にもう少し寄せたサービスの提供をすることができれば、さらに多くの人が振り向いてくれるかもしれないし、日本ならではのサービスを提供することができるようになるかもしれませんよね。

ただ、多くの企業と連携するためにはセキュリティなどの信頼性や企業の権威性などが必要です。ですがDMMレベルの大きな会社であればそこもクリアして、もっと大規模なサービスにすることができたのではないかと思っています。


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