2019年の後半にAppleから3レンズを搭載した新しい「iPhone 11」が発売され、注目を浴びていました。しかしもうiPhone 12の情報は噂されています。
そしてiPhone 12の特徴の一つには「A14チップ搭載」があります。
この記事ではAppleの新しいチップ「A14」について深堀りしていきます。
この記事を2文で説明すると
- iPhone 12に搭載される「A14」チップは5nmプロセスが採用され、その性能は最新のMacbook Pro 13インチモデルと同等になると期待されている
- iPhoneやiPadに搭載されてきた「Aシリーズ」チップが今後Macbookシリーズに搭載されていくかもしれない
A14チップの特徴
あらかじめ伝えておきますが、この記事で紹介する情報については、まだAppleから正式に発表されたものではないことに注意してください。
まず最初に、新しい「A14チップ」の特徴を紹介します。
1.iPhone 12に搭載される
Appleは2020年の後半に「iPhone 12」を発表します。そしてiPhoneに搭載されるチップ(CPUやGPUなどがセットになった装置)は年々新しくなっていますので、iPhone 12にはiPhone 11の「A13」チップから進化して「A14」が搭載されるでしょう。
もちろん名前が変わるだけではなく、中身も絶大な進化を遂げる予定です。
また、A14チップを改造した「A14X」チップが2021年に発売されるiPad Proに搭載されると考えられています。
iPhone 12については以下の記事をご覧ください。
2.製造プロセスが5nmに
iPhone 11に搭載されている「A13」チップについては、製造プロセスが7nmとなっています。このプロセスが細い方がより電力効率が高くなり、より高いパフォーマンスと低発熱を実現することができます。そしてA14チップでは「5nm」プロセスが用いられる予定です。
5nmプロセスは、スマートフォン用のチップとしては初めてですし、パソコン用のチップでも採用されたことはありません。
CPUで有名な「Intel」が製造している最新のCPUはまだ10nmプロセスを採用しています。そう考えるといかにA14チップが進化しているかが伺えます。
このA14チップの5nmプロセスは、「TSMC」によって製造される予定です。2020年3月現在、TSMCは5nmプロセスのチップを生産する準備が整いつつあるようなので、A14チップの開発もスムーズに行われるでしょう。
3.トランジスタ個数が100億個を超える
プロセスが細い方がより高いパフォーマンスを実現できると説明しましたが、これはプロセスが細いことにより搭載されるトランジスタの個数が増えることが最大のカギとなっています。
そしてiPhone 11に搭載されたA13チップには85億個となりましたが、iPhone 12に搭載されるA14チップについては100億個をこえ、150億個近くまで増やすことができるとのことです。
もちろん150億個フルで搭載するとは限りませんが、仮に125億個になったとしてもA13チップとの性能差は明らかなものになるでしょう。
このトランジスタ個数はもはや普通のパソコンにとってもすごいレベルです。
性能はどうなるのか
それではA14チップの特徴について説明したところで、A14チップに期待される性能を紹介していきます。
ここでは比較用に、
iPhone 11に搭載されたA13チップ
Macbook Air 2019の最高構成(Intel Corei5-8210Y)
Macbook Pro 2019 13インチモデルの最高構成(Intel Corei7-8569U)
Macbook Pro 2019 16インチモデルの最高構成(Intel Corei9-9980HK)
と比較していきます。また、シングルコア性能とマルチコア性能両方とも比較していきます。
シングルコア性能
まずはシングルコア性能についてです。ゲーム性能に影響が出たりします。
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Geekbench v5参考
iPhone 12についてはあくまでも予想になりますが、もはやiPhone 11の時点でシングルコア性能が非常に優秀であることがわかります。
最高構成で60万円以上するMacbook Pro 16インチモデルよりもシングルコア性能が高いのですから、もはやパソコン以上といえるでしょう。
マルチコア性能
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マルチコア性能についても非常に優秀です。すでにMacbook Airよりも性能は高くなっているみたいですが、iPhone 12ではもはやMacbook Proの性能と同等になります。
Macbook Pro 13インチモデルでは最高構成で「Intel Corei7-8569U」を選ぶことが可能ですが、爆速と言われているあのCorei7の性能を超えるのです。
さすがにMacbook Pro 16インチモデルを超すことはできないみたいですが、A14チップが搭載されるのがあの画面の小さいスマートフォンということを考えると非常に有能であることが伺えます。
ちなみに5nmプロセスを採用することによって、(このグラフより)もっと性能が向上するだろうともいわれています。
きたる、ARMパソコン時代
今Appleのパソコン「Mac」シリーズのノートパソコン「Macbook」シリーズにはすべてIntelのCPUが搭載されています。
しかしiPhone 12に搭載されるA14チップがここまでも高性能になることを考えると、今後はMacbookシリーズにもAシリーズ(ARMベース)のチップが搭載されるようになるのではないかと予想されています。
というのも、IntelのCPUは最近進化が遅く、プロセスについてもまだ10nmです。電力効率が最重要になってくるモバイル向けプロセッサのことですから、プロセスは非常に重要になってきます。 そのため、単純に考えれば今後MacbookにAシリーズチップを搭載するのが最良です。
ARMパソコンといえば、2020年1月にMicrosoftから発売された新しい「Surface Pro X」もQualcomm社のARMベースのチップが基になっているCPUを搭載しています。
デスクトップパソコンはともかく、ノートパソコンは年々小型される一方ですから、最終的にいきつく極限は「スマートデバイス」です。そう考えるとたしかに、スマートフォン等のスマートデバイスに搭載されているチップを搭載していくのは正解と言えるでしょう。
ましてやそちらの方がノートパソコン向けチップよりも高性能なのであれば言うまでもないです。
そしてAシリーズチップがMacbookシリーズに搭載されるのであれば、まず最初にMacbook Airに搭載されるでしょう。そしてもしかするとiPad Proに搭載される「A~X」チップがMacbook Pro 13インチモデルに搭載されるかもしれません。
あるいは、iPad ProもどんどんMacbookのような使用感になってきているわけですから、iPad ProがMacbook Pro 13インチモデルに取って代わるかもしれません。
ただ、Macシリーズはあくまでも「パソコン」なのでそれ用のOSが搭載されています。なのでMacbookがスマートデバイスのような使用感になるということはないでしょう。