B L O G

【2021年最新】Nvidia vs AMD【どちらが向いているの?】

最終更新日:

最新のゲームを快適にプレイしようとしたら必須になってくる「グラフィックボード」ですが、市場では主に二社のGPUが出回っています。

それは「Nvidia」と「AMD」です。特にゲーム用のGPUといったらそれぞれ「Nvidia GeForce」と「AMD Radeon」になります。 それぞれ製造しているメーカーが異なるのでもちろん特徴も変わってきます。では両者にはどのような違いがあるのでしょうか?

その違いから、それぞれどのような人におすすめなのか徹底解説していきます。

 

 

この記事を無理やり2文でまとめると

  • ゲームはNvidia、それ以外の動画エンコード・マイニング・ビデオ鑑賞等は比較的AMDの方が優秀
  • よくわからないという人はとりあえずNvidiaでOK

Nvidia vs AMD その違いは?

それではまずNvidiaのGPUとAMDのGPUの違いについて巷で出ている意見等を含め観点別に紹介していきます。 なお、わかりやすくするために言い切って解説していますが、細かく考えると両者とも優秀な点が存在します。

 

 

ゲーム性能

 

よく言われていることとして、GTXシリーズなどを含むNvidia GeForceシリーズの方がゲーム性能に特化しています。それはモデルによるだろうという話ですが、AMDの同立ち位置のRadeon GPUに比べるとGeForceシリーズの方が多くのゲームで高い性能を発揮している傾向にあります。

以下の例をご覧ください。

 

[visualizer id=”10819″]

これはNvidiaのGTX 1080とAMDのRadeon VIIをPassmarkを基にした総合性能とFF15ベンチマークを基にしたゲーム性能に分けて比較したものです。赤がRadeon VII青がGTX 1080です。

GTX 1080はハイエンドという立ち位置ですが、AMDのRadeon VIIは明らかに「ウルトラハイエンド」という立ち位置で登場しました。そのため総合性能としてはRadeon VIIの方が圧倒的に性能が高いですが、Final Fantasy 15のベンチマーク結果(フルHD、標準品質) ではGTX 1080の方がやや優秀な成績を納めています。

この結果は解像度が低いほど、品質が低いほど顕著に表れてきます。逆に4K解像度程度になるとRadeon VIIの方が優秀という結果が見られました。

しかし両者では明らかに価格が異なるため、Radeon VIIの方が優秀に決まっています。そう考えるとフルHDゲーミングでも4Kゲーミングでも全体的にNvidia GeForceの方が優秀と言えます。

一体なぜこのような結果になるのでしょうか?

 

 

GeForceが基準

後程解説しますが、普及度で言えば圧倒的にNvidia GeForceの方が上です。その時、多くのゲームメーカーはNvidiaのGPUを基準にゲームを作成します。そのためNvidiaのCUDAコアに相性が良い処理が多くなったりします。そのため、総合性能ではNvidia製のものが低くても、ゲームによってはNvidia製のものの方が優秀になったりするのです。

ただし「ゲームによっては」です。一部のDirect Xを使わないMinecraftなどのゲームではRadeonシリーズの方が優秀だと言われています。ただしそもそもMinecraftはそこまで重たいゲームでもないのでNvidia製のGPUでも十分にカバーできます。また、ほとんどのゲームはNvidiaの方が優秀です。

 

コア性能

  Radeon RX 580 GeForce GTX 1060 3GB
総合性能 8693 9478
コア数 2304 1152
動作周波数 1257-1340 MHz 1506-1708 MHz

Nvidia、AMD製のGPUはどちらも大量の処理コアを搭載していますが、その数は比較的AMD製のものの方が多い傾向にあります。それはもちろん、同等のGPUを比べた時の話です。 コア数が少ない方が1コア当たりの処理性能が比較的高いということになります。そしてその分1コア当たりの動作周波数を上げることができますので、ゲーム処理は有利だと言われています。ただし、最近ではコア数の差や動作周波数は縮まりつつあります。

 

以上の事から、ゲームだけをやりたいって人はNvidia GeForceシリーズGPUを候補に入れておきましょう。 ちなみにこの表を見ていただければわかるのですが、ゲーム用グラフィックボードとして最高級の性能を保有しているのはNvidia製のものです。(Mac Proに搭載されているPro Vega II Duoは除く)

 

 

Quadroとの差別化

GeForceシリーズも実はAMD製のもののように様々な処理を行うことができますが、Nvidiaの「Quadro」シリーズと差別化するためにGeForceシリーズではゲームのみ特化するように作られているという説もあります。

説というかほとんど事実です。実際にQuadroシリーズとNvidiaシリーズでは同じアーキテクチャがベースになっていて、ソフトウェアを書き換えてゲームに特化させるかOpen GLなどに特化させるかを決定させているとのこと。

それがGeForceのゲーム性能向上を招くかはわかりませんが、少なくともGeForceはゲームのために生まれているということはわかります。

ちなみにAMDにもFireProなどの、NvidiaでいうQuadroのような立ち位置のGPUシリーズが存在しますが、どうやらAMDについてはRadeonシリーズで様々な処理をカバーできるようです。

 

 

GP-GPU

 

GP-GPUってなんですか? って人は以下の記事をご覧ください。

 

 

[dic term=”GPGPU”]

GPUは文字通り主にグラフィック処理に用いられますが、CPUに比べて並列での単純計算の性能が良い傾向にありますのでそのような計算のために使われることも多々あります。 その代表としては「マイニング」などがあると思います。マイニングはイメージで言うと鍵のかかった金庫をのダイヤルを全通り試してゴリ押しで解除する処理になりますが、そんな時はよりコア数の多いAMDの方が有利な傾向にあります。

つまり、金庫をゴリ押しで解除しようとするのに頭はあまり必要ないですが、とにかく手がたくさん必要ということですね。

実際にマイニング処理効率の差は数値で出ているようです。

 

[visualizer id=”10825″]

この結果はマイニングで有名な「イーサリアム」のものになります。

同等の総合性能、消費電力帯としてはこのようにAMD製のものの方が性能が高くなっていますね。

 

マイニングの他にも動画のエンコード(ハードウェアエンコード)等のシチュエーションにおいてもAMD製のGPUの方が活躍する傾向にあります。 ゲーム処理以外でGPUが活用される場としてはGPUの並列処理性能に注目されることが多いので、言い方を変えると

ゲーム以外の処理はAMD製のGPUの方が優秀

と言えるかもしれません。

 

 

ビデオ鑑賞

 

グラフィックボードがかかわるのはもちろんゲームだけではありません。動画鑑賞においてもグラフィックボードから出力されるわけですから、GPUによって特徴が出てきます。 そしてビデオ鑑賞においては総合的にAMD製のものが優秀だと判断しました。

 

フレーム補完機能「Fluid Motion」

これはGPUの問題というよりはAMDが提供している機能問題でしょう。AMD製のGPUでは「Fluid Motion」と呼ばれる、映像のフレームを補う機能が提供されます。

 

無いフレームを作る

Fluid Motion(流動的な動き)ではもともとFPSが低い動画のフレーム同士を比較して計算し、間のフレームを自動的に生成してFPSが高いように見せるという機能です。

 

Fluid Motionを感じる動画

この動画なんかは特にその効果が感じられると思います。まだアニメーションは30FPSで作られていることが多いので、60FPSにしてより滑らかに干渉したいという人はAMD製のGPUがおすすめです。

 

[dic term=”FPS”]

 

 

発色

最近ではその差は少なくなってきていると言われていますが、Nvidia製のものとAMD製のものでは発色に違いがあるようです。

実際に比較している動画もありました。

発色の違いを検証

私の経験上では、AMDの方が光るイメージです。ゲーム内で光るエフェクトなどが発生したときに、よりAMD製のものの方が鮮やかに光るという印象が強かったです。 もしかしたらプラシーボ効果かもしれませんが、「映像美」という点ではどうやらAMDの方が一歩リードしているようです。

 

 

耐久性・安定性

 

耐久性や安定性については比較的Nvidiaの方が優秀だと言われています。これはNvidiaの方が世の中に普及しているということも多少は関係していると思います。多くのゲーム等がNvidiaを基準に設計されているので、どうしてもAMD製のGPUだと安定動作しないケースが多いんですよね。

また、私の経験上Nvidia製のGPUの方がオーバークロックに強いです。AMD製のものはクロック数を少し上げただけですぐにゲームがフリーズするようになりますが、Nvidiaは耐えるところまで耐えます。そしてある一点で急に使えなくなります。

どちらもオーバークロックしすぎるとフリーズしたりラグが発生するなどしてまともにゲームプレイができなくなりますし、最悪私のようにパソコンを壊してしまうこともありますが、最後まで耐えるのはNvidiaです。

私はオーバークロックしないから関係ないという人でも、オーバークロック耐性=耐久性=寿命というとらえ方もできるので参考になると思います。

 

 

二枚差し

Nvidia GeForceには「SLI」、AMD RadeonにはCrossFireというグラフィックボード二枚差しの機能がありますが、効果はNvidiaの方が優秀と言われるものの導入の条件が厳しいのも特徴です。

 

  Nvidia GeForce AMD Radeon
対応GPU 一部のハイエンドモデル ほぼすべて
GPUの組み合わせ 同じ種類 違う種類でも可*
専用道具 SLI Bridgeが必要 特に要らない
効果 良い 普通

*極端に異なるものはできないことが多い

 

そのため、Radeonの方が導入は簡単だが、GeForceの方が高い効果を得られるといった感じです。ただ、本気で二枚差しをしたいという人にとっては効果が高いGeForce GPUの方が良いでしょう。

 

 

普及度合い

世の中に普及している度合いで言えば圧倒的にNvidia GeForceの方が高いでしょう。おそらくGPU性能を表すときに「GTX~程度」という言い方をする人の方が多いと思います。

そして普及度の違いは数値でも出ています。

 

[visualizer id=”10828″]

これは2019年前半のデスクトップ向けグラフィックボードのシェア率を表しています。内蔵グラフィックスまで合わせてしまうとIntelが圧倒してしまいますが、今問うているのは外付けグラフィックボードの話です。

そしてこのようなシェア率の違いから、Nvidia GeForceの方を基準としているゲームが多かったりするのです。他にもシェア率の違いが引き起こすことはたくさんあります。

 

トラブル時の参考情報

Nvidia、AMDともにトラブル時のサポートは素晴らしいですが、やはり消費者のトラブルというのは同じものを購入した消費者が一番わかっている気がします。 つまり、同じ「GTX 1060」等を購入した人が世界でたくさんいるならば、何かトラブルがあってもインターネット等で調べればあらゆる情報が載っていますので対処がしやすくなるということです。

 

中古品の価値

Nvidiaのグラフィックボードの方が有名である分、中古品としての価値も比較的高いです。売却を全く考えていない人はまだ良いのですが、私の経験上売却する時に圧倒的にNvidia製のものの方が売れやすい傾向にあります。 それはAMD製のものの品質が悪いと認知されているというよりは、そもそもAMD製のGPUを知らない人が多いためです。 とりあえずNvidiaという精神でしょう。

でも逆に言えば、中古品においては一部を除き、比較的AMD製のGPUの方が安く販売されていたりします。特にマイニングで活用されたRX 500シリーズ等は激安で手に入ることが多いです。

 

 

価格

ローエンド、ミドルレンジ、ハイエンド帯のGPUは以下のような相場になっています。

 

  Nvidia AMD
ローエンド GTX 1650 SUPER RX 5500 XT
総合性能 9950 9001
相場 20,000円 20,000円
     
ミドルレンジ GTX 1660 Ti RX 5600 XT
総合性能 12824 12593
相場 35,000円 35,000円
     
ハイエンド RTX 2070 RX 5700 XT
総合性能 16392 16539
相場 50,000円 50,000円
     
ウルトラハイエンド RTX 2080 Ti
総合性能 21182
相場 150,000円

 

Amazonにて価格調査してきましたが、衝撃的なことにどのレベル帯もほとんど相場が同じです。ただ一つ言えるのは、Nvidia製GPUのオリジナルファンモデル(他メーカーがボディを製造したモデル) が圧倒的に多いです。

そのため同じGPUを搭載していてもデザインに様々なバリエーションがあったり価格にも数万円程度の差が見られます。

そのため、デザインにこだわる人はNvidia製GPUの方が良いかもしれません。ただ、高いものは高いです。 また、先ほども説明した通り中古のGPUにおいてはAMDの方がコストパフォーマンスが高い場合が多いです。

特にRX 500シリーズなんかは新品でも激安で手に入ったりします。

 

 

これからの期待

もちろん現状のグラフィックボードを比較するのも大切ですが、これからの事も比較しましょう。

 

Nvidia

だいぶ前から言われている話ですが、Nvidiaからは2020年中にAMPEREというアーキテクチャを採用した新たなRTXシリーズGPUが登場するとのことです。

詳しくは以下の記事で説明していますのでどうぞ

RTX 3080 Ti情報【AMPEREアーキテクチャ】

AMPEREアーキテクチャではよりレイトレーシング性能が強化されるなどして、更にゲーミングに特化すると言われています。

 

AMD

AMDについてはRDNA第2世代「Navi 20シリーズ」がベースとなっているGPUを開発しています。

詳しい情報については以下の記事をご覧ください。

【Radeon VIIの後継】AMD RDNA2の情報【Big Navi】

このRDNA 2世代ではミドルレンジというよりは「ハイエンド」に注力されるとのことで、Radeon VIIの後継モデルが登場するだろうと言われています。

実際に現状Radeonシリーズには新しいウルトラハイエンドGPUが存在しませんので、Nvidiaと互角に戦うためにも開発するべきではありますね。

そのため、AMDについてはウルトラハイエンドGPUに期待できそうです。

 

ただ、まだ登場していない現状ではどちらが優秀なのか決定することはできませんので、先の事について少し気になっている人は待ってみるのもありかもしれませんね。

 

 

まとめ

それでは最後に比較をまとめてみます。

 

  Nvidia AMD
ゲーム性能
ゲーム以外の処理
ビデオ鑑賞
耐久性・安定性
シェア率
バリエーション
これからの期待

 

この記事を最後まで見てもどちらが良いのかよくわからないという人は基本Nvidia製のもので良いと思います。 また、冒頭で説明した通りここではわかりやすくするために無理やり言い切ってます。そのため、人によって割と感じ方は異なるかもしれないということをご理解ください。


関連記事

    人気記事

    じゅんき
    10月頃BableTechが生まれ変わる予定です!

    記事内用語

    詳細ページ