長く続いたmacOS Xもついに終わり、20年ぶりとなる超大型のmacOSアップデートが到来します。その新OSではmacOS X(10)から11へとカウントアップし、これまでとは全く違うエクスペリエンスを提供します。その名は「Big Sur」です。
この記事では2020年に登場するmacOS「Big Sur」の新機能・新要素についてまとめていきます。また、サポートされているMacパソコンについても紹介します(2020年7月現在)
macOS 11「Big Sur」とは?
新機能について紹介する前に、そもそもmacOS 11「Big Sur」とは一体何者なのかについて説明します。
2020年のmacOS
macOSの大型アップデートはだいたい一年に一回行われています。2019年にはOS 10.15となる「Catalina」が登場しました。そして今年もアップデートされ、その名前が「Big Sur」になるというだけの話です。 しかしバージョンは10.16にカウントアップされたのではなく、繰り上がって11となりました。
これは、このアップデートがより大きなもの、あるいはこれまでとは全く違うものであることを示し、macOSの新時代の幕開けを意味しています。
Big Surとは
macOSの名前はどこかしらの地域の名前をとっていることが多いですが、今回のBig Surというのはアメリカ合衆国カリフォルニア州のセントラルコーストにある人口の希薄な地域の事を指しています。(Wikipediaより)
Big Surの背景画像は以上のようになっていますが、この美しい山脈らはBig Surのものになります。景観が非常に美しいことで有名であり、観光地としても人気であるスポットです。
もしかすると今回のアップデートに何かしら関係のある地域なのかもしれませんね。
macOS 11「Big Sur」の新機能まとめ
それでは早速Big Surの新機能についてまとめていきます。なお、ここではすべて紹介するわけではなく、あくまでも主要なものを紹介します。
メニューバー
まず最初にメニューバーについてです。macOSではデスクトップ画面やそれぞれのソフトの画面において、上側にメニューバーが設置されています。
Big Surではメニューバーが若干高くなり、少しゆったりとしたデザインになりました。そして半透明デザインとなっているため、デスクトップ画像を隅々まで見ることができます。メニューバー上の文字は背景画像によって自動で色が調節されるようです。また、プルダウンメニューについても行間が広くなり、操作しやすくなりました。
アプリアイコン
アプリの一覧である「Dock」部分についても様々なデザインの変更が施されましたが、その中でも最も大きな変更はやはりアプリアイコンでしょうか。
Big Surでは全体的にアプリのアイコンがiPhone / iPadのようになりました。Safariやギャラリーのアイコンなんかはいかにもそんな感じがしますね。
起動音
2016年頃のMacパソコンから、ジャーンという起動音がならなくなりましたが、Big Surではその起動音が復活したとのことです。ならすかどうかは自分で設定することができます。
コントロールセンター
Big SurではiPhoneやiPad等に既に実装されている「コントロールセンター」が実装されました。マウス操作しやすいように最適化されていますが、機能性としてはiPhone等のものと似たような感じになっています。
これでいちいちシステム設定を開く必要が無くなります。
通知センター
Big Surでは通知やウィジェットなどの機能も改善されました。右側から通知センターを開くことができ、そこにはウィジェットも表示されます。通知はアプリ別等でまとめられていて、iPhoneのように見やすくなっています。
そしてウィジェットは自由自在にカスタマイズすることができ、サードパーティー性のアプリのウィジェットも追加できる場合があります。
ブラウザ
Macの標準ブラウザといったら「Safari」です。Big SurではSafariのページ表示速度が大幅に改善され、Google Chromeよりも平均で50%高速にWebページを読み込むことができるようになっています。もちろんWebページによりますが、スクリプト等の読み込みが改善されたことが主な要因だそうです。
また、電力効率も改善されたとのことです。ブラウザの消費電力なんてあまり気にしたことがありませんが、ブラウザ上で作業することが多い今の時代、ブラウザの省電力性も重要になってきます。新しいSafariではChromeなどと比べて最大3時間程度長く動画のストリーミング再生を行うことができるとのことです。
また、他にもWebページの翻訳機能やApple Storeで入手することができるブラウザ拡張機能等も利用できるようになるとのことです。どこかGoogle Chromeに似てきている気がしますね。 iOS版のSafariにも翻訳機能が導入されてほしいところです。
マップ
Big Surではマップアプリも改善しました。360度辺りを見渡すことができる機能があったり、電気自動車の充電等を考慮したルート作成を行えるようになったり、サイクリングのルートを事前に作成してiPhoneに転送できるような機能が追加されるとのことです。現時点ではやはりGoogle Mapの方が優秀な気もしますが、AppleのMapもどんどんと便利なものになってきていますね。
他にもいろいろな改善点があるようですが、正直日本ではあまり役に立たないものも多いです。
AirPods
Big SurではApple H1チップを搭載しているAirPodsや一部のBeatsシリーズイヤフォンにて、自動で接続先デバイスを切り替えるような機能が追加されるとのことです。 これは、同一のiCloudアカウントに紐づけられているデバイスに限っていますが、身の回りのコンピュータをApple系で統一している人にとっては非常に便利になりそうです。 そして一日中AirPodsをつけるようになるかもしれませんね。
バッテリー
Big Surでは充電の傾向を分析することでバッテリー寿命をより伸ばすことができるような充電を実現することができます。やはりノートパソコンで消耗するものといったらバッテリーですから、この改善は非常にありがたいですね。
そしてバッテリーの使用履歴も正確に残り、可視化されるようになりました。
他にもいくつかの標準アプリが進化しているようですが、とりあえずこの辺にしておきましょう。英語版になりますが詳しくは以下のページをご参照ください。
https://www.apple.com/macos/big-sur-preview/features/
対応機種
続いてmacOS Big SurをサポートしているMacパソコンを紹介します。
ラップトップ
MacBook 2015~
MacBook Air 2013~
MacBook Pro 2013~
デスクトップ
Mac mini 2014~
iMac 2014~
iMac Pro 2017~
Mac Pro 2013~
Catalinaではサポートされていた2012年のMacBook Air / Pro等はサポートされなくなるようですね。
ARM Macについては以下の記事をご覧ください。