パソコンで最新のゲームをするにあたって必要になってくるのは高性能なグラフィックボード(GPU)ですが、GPUを製造している会社として主にNvidiaとAMDがあります。 そしてそれぞれの会社が年々進化したGPUを提供していますが、AMDのGPUシリーズ「Radeon」から、今後RDNA3世代のNavi 30シリーズGPUが登場すると噂されています。 この記事では「Bigger Navi」とも呼ばれるNavi 30シリーズGPUについて、噂情報を紹介していきます。
なお、RDNA3に関する最新記事は以下をご覧ください。
https://bablishe.com/information-about-radeon-rdna3/
この記事を1文で説明すると
- RDNA 3世代となるRadeon Navi 30シリーズGPUではRyzen CPUのようにチップレット技術が採用され、Appleの次世代のMacパソコンにも採用されると考えられる
NaviシリーズGPUとは
AMDはこれまでに様々なGPUを開発してきましたが、2019年頃から「Navi」という名前の付けられたGPUを開発しています。2019年7月ごろに初登場したNavi GPUは、長く続いたGCN世代に終わりをつげ、新たにRDNA世代となった最初のシリーズになります。 製造プロセスは同時期に登場した第三世代Ryzen CPUと同じようにTSMCの7nmプロセスが採用され、ライバル社であるNvidiaのGeForceシリーズGPUよりも一足早く7nmプロセスを導入しました。
RNDA第一世代であるNavi 10シリーズについては上位モデルとしてRadeon RX 5700XTなどが登場し、AppleのMacシリーズパソコンなどをはじめとする多くのパソコンに採用されました。
そしてRDNAは更に進化します。第二世代となるNavi 20シリーズについては「Big Navi」と呼ばれ、ずいぶん前からその存在が噂されています。Big Naviでは、かつての「Radeon VII」の後継機となる新たなウルトラハイエンドGPUが登場すると見込まれていて、多くの人の注目を集めています。 そんな中、更にのちのRDNAシリーズとして、第三世代のNavi 30シリーズGPUについて噂されてきています。Naviという名前を使うのも三世代目になるため、もしかしたら名前が変わるかもしれませんが、RDNAの第三世代の位置することは確かです。
それではRDNA 3の噂情報を紹介していきます。
RDNA 3の特徴
それでは早速現時点で噂されているRDNA 3世代のRadeon GPUの特徴について紹介していきます。なお、まだ噂されている情報は非常に少ないです。
1.チップレット技術の採用
いきなる難しい話になってしまいますが、RDNA 3世代のNavi 30シリーズでは、チップレットと呼ばれる技術を採用するかもしれないと言われています。
従来のGPUについては、一つの大きなダイの中にメモリコントローラーやIOコントローラー、そしてGPUのコアなどが含まれていますが、チップレット技術ではこれらをあえて別のダイとして分割します。 つまりGPUのコアだけが入っているダイ、そしてIO専用のダイなどを個別で作り、それらを組み合わせることによって見かけ上一つの大きなダイとして扱うという技術になります。
こうすることによってコストを削減できるほか、小さなダイの組み合わせ方を変えるだけで他のGPUを製造することができるなどのメリットがあります。 Navi 30シリーズではGPUコアの製造プロセスは5nm、あるいは洗練された7nmのものになる可能性が高いですが、同様にしてメモリコントローラーやIOダイなども極小プロセスで製造してしまうと、コストが無駄に高くなってしまうとのことです。 もちろんメモリコントローラー等において7nmプロセスなどを採用することで高パフォーマンスを得られるとは思いますが、極小プロセスの恩恵を最も受けるのはGPUコア部分です。 そのため、メモリコントローラー等を14nmプロセスなどで製造してもパフォーマンスにそこまで影響は出ないと言われています。
それぞれのダイを別のプロセスで製造し、これらのダイを基板上の配線で接続すれば一つの大きなGPUとして扱うことができます。この技術はAMDのRyzen CPUでも採用されてきたことですね。 Navi 30シリーズで導入されたら、ダイの組み合わせを変えることによって様々な性能のGPUを製造することができそうです。
2.Apple Macシリーズパソコンで採用
AppleのMacシリーズパソコンは近年、グラフィック処理装置としてAMDのRadeonシリーズGPUを採用しています。MacBook ProなどからデスクトップパソコンのMac Proまで幅広く採用されています。 そして以前にAppleから、今後数年間でMacシリーズの処理装置をIntelから独自のARMベースのチップに移す計画を発表しましたが、CPUがARMベースのものになっても、GPUについてはまだAMDのものが採用される可能性が高いです。
MacBook Airなどは依然としてSoC内の統合されたGPUを利用すると思いますが、上位のMacBook Pro 16インチモデルなどではきっとAMDの高性能GPUが採用されるでしょう。 実際に将来のRadeon GPUがMacに導入されることをにおわせるようなコードが最新macOSの「Big Sur」で見つかったという話もあります。

このことは以前の記事で詳しく解説しています。
ARM Macに搭載されるグラボが最強すぎると話題に【Radeon Navi 30】
このようにコードが記載されていたからといって必ずしも採用されるというわけではありませんが、何かしらの形で今後もAMDのGPUを採用していくということはうかがえます。となると、iMacの上位モデルなどでもNavi 30シリーズGPUが採用されることも考えられるため、Navi 30シリーズにはやはりハイエンドのモデルも存在するのでしょうか。
3.型番は「Radeon 7000」
現在RDNA第一世代のNavi GPUで型番がRadeon 5000番台となっているため、今後そのままいけば第三世代ではRadeon 7000番台が採用される可能性が高いです。
登場時期
まだRDNA 2のGPUラインナップも正式には発表されていないため、RDNA 3世代のものについてはまだまだ時間がかかるでしょう。ただし、昨年一番最初のRDNA GPUが発表されつつ、今年第二世代のものが登場しようとしているため、順調に進めば2021年の後半頃に登場するかもしれません。
ちなみにさらに次世代のRDNA 4シリーズについてももう噂されていたりします。
参考記事:https://www.tweaktown.com/news/74402/amds-next-gen-gpu-navi-41-aka-rdna-4-teased/index.html