ついにNvidiaからAmpereアーキテクチャのGPUが登場し、GPU界が盛り上がろうとしているところですが、そんな中で更にその次のGPUシリーズに関する濃厚な噂情報が入ってきました。
アーキテクチャは「Hopper」です。Ampereの後継ということでゲーム向けであるGeForceシリーズに投入されるとも考えられています。ここではわかりやすくするために「RTX 4000シリーズ」という名前をつけていますが、あくまでも予想に過ぎないことをご理解ください。
それでは現在噂されている情報を紹介します。噂情報ですよ、噂。
この記事を2文で説明すると
- NvidiaからAmpereの後継となる「Hopper」アーキテクチャGPUが2021年に登場する見込み
- TSMCの5nmプロセスを採用し、MCM(マルチチップ・モジュール)が導入されるかもしれない
Hopperとは?
冒頭でも説明した通り、NvidiaのAmpereアーキテクチャに続くのはHopperという名前のアーキテクチャです。この名称に関しては既にNvidiaによって特許が申請されており、ほぼ確定とのことです。
ですがHopperとは一体どういう意味なのでしょうか?
アメリカの女性軍人・計算機科学者
一応理系な自分ですが(笑) 全く聞いたことが無かった名前なので調べてみました。
グレース・マレー・ホッパーは、アメリカ海軍の軍人かつ計算機科学者。プログラミング言語COBOLを開発した
(引用:Wikipedia)
学校ではWikipediaの情報を引用するなと言われていますが、多分合ってます。Nvidiaの次世代アーキテクチャ「Hopper」がこの人物の事を指しているのか断言することはできませんが、多くの海外メディアではこの人を敬ってこのような命名にしたのではないかと議論されています。
恐らくリスペクトしている部分は「計算機科学者としてのホッパー」ですが、この人実はアメリカ海軍の軍人だったこともあったようで、1943年頃から軍人として活動していたとのこと。 軍人であり科学者であるというのはなんだか不思議です。
Hopperアーキテクチャの特徴
実はこのアーキテクチャ自体は2019年の後半頃から既に噂されていたのですが、あまりに噂情報が少なくて記事で紹介するほどのものではありませんでした。
ですが近頃多く議論されるようになってきているのでここでは噂されている特徴について箇条書き形式で紹介します。
1.TSMC 5nmプロセスを採用
NvidiaはAmpereアーキテクチャ(RTX 3000シリーズだと考えられる)にてTSMCの7nmプロセスルールを採用すると考えられています。TSMCの7nmプロセスといったらAppleのSoCやAMDのZen2アーキテクチャ(第3世代Ryzen等)やNavi GPUで採用されています。
Nvidiaの競争相手は当然AMDのRadeonグラフィックスになりますから、噂通りにいくとAmpereアーキテクチャでAMDのNaviと互角に渡り合えるということになります。全く同じTSMCの半導体を用いているならば、後は設計次第です。
そしてその次となるHopperアーキテクチャでは早くもより進化した「5nmプロセス」を導入すると言われています。つまり7nmプロセスは1世代だけ採用するということになりますね。実際にNvidiaは5nmプロセス半導体を予約注文しようとしているところらしく、AMDよりも先に5nmプロセスアーキテクチャに着手しようとしているようにも見えます。
AMDもZen4アーキテクチャにて2021年に5nmプロセスを採用しようとしているので、プロセスの移り変わりとしては両者とも似たような感じになるでしょう。ただ7nmプロセスについて遅れをとっているNvidiaにとっては、いち早く5nmプロセスに乗り換えるのが良策ではあります。
また、5nmプロセス半導体の入手先をSamsungにも広げるという噂もあります。これによってTSMCの負担を軽減することができます。
2.MCM
第二に噂されていることとしては、Hopperアーキテクチャが何らかの形で「MCM」スタイルを採用するかもしれないということです。
[dic term=”MCM”]
MCMはいくつかのチップを組み合わせることによって見かけ上一つの大きなチップにする技術の事を指します。例えばZen2アーキテクチャを採用したAMDのRyzen Threadripper 3990Xなんかは8コアのチップを8つ組み合わせることによって64コアを実現しているとのことです。
また、同シリーズのRyzen9-3950Xも8コアのチップを2つ組み合わせているそうです。
その様子は見た目でも確認することができます。そして似たような技術がHopperアーキテクチャでも導入されるのではないかと議論されています。
そもそも比較的少数の命令をとことんこなしていくCPUに比べると、一度に多量の並列処理を行うGPUの方がMCMに向いているのではないかとも議論されています。通常MCMを利用することによってチップが占有する面積は広くなりますが、グラフィックボードに収めれば良いですのである程度の巨大化は許容できるでしょう。
また、5nmプロセスルールを採用することによって回路をより高密度化することができますので、MCMを導入しやすくなるのではないでしょうか。
噂では、MCMを導入することによってダイサイズが815mm2まで跳ね上がるとのことです。これが良いことなのかはよくわからないですが、RTX 2080 Tiのダイサイズは545mm2でした。
登場時期
登場時期についてはAmpereの後継ということで2021年となります。ただ、Hopperアーキテクチャが登場するにしてもそれがゲーム向けのGeForceシリーズに導入されると断言することはできません。
ある種の噂ではMCMを利用し、Quadroシリーズなどの比較的業務用途のGPUが開発されるかもしれないと言われています。
2021年の事ですので謎がたくさんありますね。以上、噂の噂でした。