AMDが製造しているCPUといったらRyzenシリーズです。通常のRyzen CPUには内蔵グラフィックスが搭載されていませんが、Ryzen APUと呼ばれるシリーズには内蔵グラフィックスが搭載されています。
この記事ではそのRyzen APUの第五世代目のものの噂情報を紹介していきます。非常にややこしいですが、APUの第五世代なので型番はRyzen 6000となります。
この記事を1文で説明すると
- 第五世代Ryzen APU(Ryzen 6000)は2022年半ばごろに登場し、Zen4アーキテクチャと進化したRDNA世代Radeonグラフィックスを内蔵する可能性が高い
第五世代Ryzen APUの特徴
それでは早速第五世代Ryzen APUの特徴について説明していきます。
と、その前に少しだけ説明しますが、
[dic term=”APU”]
APUというのはAMD固有のもので、通常のCPUに加えてグラフィックス機能が搭載されているものになります。Intel製のCPUだと内蔵グラフィックスが搭載されているのは一般的なことですが、AMD製のCPUだとAPUと呼ばれるシリーズにのみ搭載されています。
AMDの場合、まず最初にCPUが登場し、それから一年弱後くらいに同じアーキテクチャを用いたAPUが登場しますので、APUで採用されているアーキテクチャは割と古いものになるということに注意してください。
それでは現在噂されている情報を箇条書きで紹介します。
1.コードネーム「Rembrandt」
上のツイートで言及されていることですが、第五世代Ryzen APUのコードネームはRembrandtになるとのことです。読み方は「レンブラント」で、バロック期を代表するオランダの画家になります。
Ryzenシリーズのコードネームでは何かと画家の名前が採用されてきていますので、このコードネームもそれなりに信頼性があります。
2.Zen4アーキテクチャ
登場するの自体はZen5アーキテクチャを採用したCPUが登場する頃の事になる見込みですが、先ほど説明したようにRyzen APUは一年ほど前のアーキテクチャを採用していますので第五世代Ryzen APUではZen4アーキテクチャが採用されるということになります。
Zen2ではTSMCの7nmプロセスが採用され、Zen3では7nm+プロセスとなりました。そしてZen4ではTSMCの5nmプロセス(N5)が採用されると言われています。詳しくは以下のZen4アーキテクチャについて説明している記事をご覧ください。
第五世代「Ryzen CPU」情報【Zen4アーキテクチャ】
TSMCの5nmプロセスはAMDのRyzen CPUのみならず、AppleのチップセットやAndroidスマホ用のチップ、Intelまでも採用すると言われています。そして7nmプロセスを超える大規模生産になることが予想されています。
【大量】TSMCの5nmプロセス製品まとめ【まさかのIntel?】
新型肺炎の影響を受けて多少生産が遅れるかもしれませんが、ここまでの大量生産ともなると逆に安定した生産を行うことができそうです。
3.内蔵グラフィックス
Zen4アーキテクチャということで新ソケット、DDR5、PCI-e 5.0への対応なども予想されているわけですが、それらについては以下の記事で説明していますのでご覧ください。
第五世代「Ryzen CPU」情報【Zen4アーキテクチャ】
そしてここではAPU特有の要素「内蔵グラフィックス」について説明します。
第三世代Ryzen APUには今となってはもう古いVegaアーキテクチャ(Vega 20:Radeon VIIのもの)が採用されましたが、現在RadeonグラフィックスはRDNA世代に突入していますので第四世代Ryzen APUからついにNaviアーキテクチャの内蔵グラフィックスが搭載されると言われています。
そして第五世代についてはRDNA2(Navi 20)アーキテクチャを基にし、Zen3 APUの時よりも若干CU数を少なくした高効率内蔵グラフィックスが採用されるかもしれません。Navi 20アーキテクチャは主にハイエンド向けのGPUに採用されると言われていますが、Vega 20アーキテクチャをRyzen APUに導入したことを考えると、Navi 20が採用される可能性も高いです。
そしてRyzen APUでもハードウェアレベルのレイトレーシング処理を行うことができるようになるかもしれません。
発売日
最後に発売日についてです。Zen2アーキテクチャを採用したRyzen APUが2020年の前半から半ばにかけて登場しましたので、Zen3のものは順調にいけば2021年の半ば頃、そしてZen4の第五世代Ryzen APUについては2022年の半ばごろに登場するでしょう。
まず最初にモバイル向けのAPUが登場し、そのあとZen5アーキテクチャを採用した第六世代Ryzen CPUが登場するころにデスクトップ向けのRyzen APUが登場するでしょう。
ただし新型肺炎の影響で遅れる可能性もあります。