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第四世代Ryzenのアーキテクチャ「Zen3」の最新情報

最終更新日:

2019年の7月にAMDから新型、三世代Ryzenが発売されたばかりですが、実はもう第四世代の情報が少しずつ公開されています
次のアーキテクチャは「Zen2」から「Zen3」に進化します。

今回はこの「Zen3」について紹介していきたいと思います。

関連記事:第4世代RyzenではPCIe 5.0 & DDR5に対応?

2020年10月9日追記:ついにAMDから発表されました。詳しくは以下の記事をご覧ください。

【ついに登場】AMD Ryzen 5000シリーズCPUを徹底解説【Ryzen 9-5950X】

なお、以下は発表される以前の噂情報をまとめたものになります。

この記事を1文で説明すると

  • 第四世代Ryzenは、第三世代と同じ7nmプロセスで開発されるが、全体的にパフォーマンスが20%程度上昇すると期待される。

Zen2との相違点は?

まずは第三世代Ryzenプロセッサが使用している「Zen2アーキテクチャ」との相違点について紹介していきたいと思います。

ちなみに第四世代RyzenのコードネームはVermeerです。

1.プロセス

Zen2では7nmとなっていて、現在では最も微細プロセスとなっています。Zen3では7nm+と呼ばれます。

基本的な細かさは変わりませんが、Zen3では「極端紫外線」が利用されます。極端紫外線というのはとても短い波長(13.5nm)の光であり、20nmより微細な寸法の加工を可能とします。

なお、最新の情報ではZen3アーキテクチャでTSMCの5nmプロセスが採用されるかもしれないとも言われています。そうなった場合、登場するのは確実2021年以降となります。

2.トランジスタ密度

この新しいアーキテクチャではトランジスタ密度が従来よりも20%向上します。

つまり、従来と同じ回路でも回路のサイズを大幅に減少させることができ、消費電力も大幅に減少、加えてクロック数を引き上げることができるのです。

情報では、最大で電力効率が10%増加するとのことです。

プロセスの細かさそのものは変わっていないですが、このトランジスタ密度がアップすることで同じ効果を得ることができています。

さらには、ダイ(回路の集まりのようなもの)サイズを減少させることで、コア数を増やすことができます

予想では現在の第三世代Ryzenよりも同じ電力で1.2倍くらいの性能を発揮することができると考えられています。

3.1コアあたり4スレッドまでサポートする可能性

2020/01/05追記:最新情報によりますと、すでに第四世代Ryzen CPUではSMT4テクノロジー(1コアにつき4スレッド)」は使われないということが確認されているとのことです。

https://wccftech.com/amd-zen-3-microarchitecture-to-be-unveiled-at-ces-2020-ryzen-4000/

4.Zen2(第3世代Ryzen)と比べておよそ200MHzほどクロックアップ

Zen3アーキテクチャでは、Zen2と比べて全体的にクロック数(動作周波数)が200MHz程度上昇します。

これにより、全体的なパフォーマンス上昇が期待されます。Zen3もZen2と同じ7nmプロセスを用いていますが、2年目の7nmプロセスとなるので、クロック数を上昇させても問題ないくらい成熟した「7nm」アーキテクチャになるのでしょう。ZenアーキテクチャからZen2への進化では基本的なダイの構成は一緒でしたが、Zen3では一から設計し直すとのことで、プロセスはあまり変わらなくとも大きなIPCの向上が期待されます。

IPC

Instructions Per Cycle/Clockの略。すなわちCPUが1クロック(サイクル)で処理することのできる数。 IPCが改善すると低クロックでも高パフォーマンスを得ることができる。

5.USB4をサポート

これは噂程度の話になりますが、Zen3 CPUをサポートする「600番台チップセット(X670等)」がUSB4をサポートするという話が出ていますので、実質第4世代Ryzen CPUでもサポートすることになります。

USB4では内部でThunderbolt 3(4?)を統合するため、より外部接続が便利になるでしょう。

6.最大動作周波数5GHz

最新のリーク情報によると、Zen3アーキテクチャを採用したRyzen 4000シリーズCPUの中に最大動作周波数が5GHz以上、あるいは5GHzにきわめて近くなっているモデルが存在するとのことです。第三世代Ryzen9-3950Xなどは数値上では最大4.7GHzとなっていましたが、実際のところそこまでクロックアップしないという問題も発生していました。Zen3にてこの辺の問題解決が行われれば、14nmプロセスを採用しているIntelのComet Lake-Sシリーズのように最大5.0GHz以上で稼働させることが可能になるかもしれません。

Zen2と変わらない点

1.DDR5 & PCI-e 5.0はサポートしない

第三世代Ryzen CPUでPCI-e 4.0がサポートされ始めたばかりですが、実はもうPCI-e 5.0が噂されています。

ですが冒頭にリンクを貼った記事を読めば分かるのですが、第四世代Ryzenではサポートされません。

第4世代RyzenではPCI-e 5.0 & DDR5メモリ対応?

2.同じマザーボード、チップセットを使用できる

現時点では、Zen3アーキテクチャ搭載の「第四世代Ryzen」CPUは全てのRyzenと同じAM4ソケットを採用し、500番台チップセットや400番台チップセットマザーボードを更新することで使うことができるそうです。

https://www.techradar.com/news/amds-future-plans-for-crushing-intel-and-taking-over-the-world-with-zen-4-and-zen-5-revealed?amp_js_v=0.1&usqp=mq331AQCKAE=

ただし、ある情報によるとDDR5をサポートするであろうZen4アーキテクチャではそもそもの構造を変えないといけないため、ソケットが変更されるそうです。

DDR4メモリとDDR5メモリは形状が違いますから、チップセットやソケットが違ってくるのは当たり前ですよね。

なお、Zen3でも一応専用のチップセットは開発されます。600番台となっていて、その代表モデルが「X670」です。こちらの記事をご覧ください。

AMD X670マザーボード情報【第四世代Ryzen】

3.最大16コア32スレッド

最新のリークによると、Zen3アーキテクチャを採用するRyzen 4000シリーズ(HEDTを含めない)の最上位モデルは16コア32スレッドとのことです。

つまりZen2のRyzen 9-3950Xと変わらないということですね。

いつから運用開始?

問題は、いつから運用開始になるかです。

実は第一世代Ryzenが登場してから今まで、順調におよそ一年に一世代進化しています。

そして、最新の情報では2020年の10月8日になると言われています。

ということでモバイル向けが発売されるとしたら2021年代になりそうです。

2020年6月追記:

最新の噂では、Zen3アーキテクチャのRyzenが2021年に登場するかもしれないと言われています。更にその噂では、7nm+プロセスの代わりにTSMCの5nmプロセスを導入するかもしれないとも言われています。 なお、まだ広く噂されている話でもないのでこの記事では今のところ2020年登場説を提唱します。

使用用途

使用用途は、Zen2アーキテクチャの後継という事で基本的にはメインストリーム向けRyzenとなっています。

※2020年9月追記:現在、新しく登場するZen3アーキテクチャのRyzen CPUの型番が「Ryzen 5000」になるかもしれないと言われています。そして具体的に、最上位モデルとしてRyzen 9-5900のようなCPUが登場するのではないかと言われています。

そして、今回Zen2アーキテクチャがデータセンター向けCPUの「EPYCシリーズ」に採用されたことと同様に、EYPCにも導入される予定です。

第一世代EPYCから第二世代ですでにコア数を二倍に引き上げることに成功していますが、今回トランジスタ密度がさらに向上したことでまたもや二倍に引き上げられることも予想されます。

それでいて消費電力を抑えることができそう、まさに理想のプロセッサとなっています。

第五世代Ryzen CPU情報→第五世代「Ryzen CPU」情報【Zen4アーキテクチャ】

発表動画はこちら(2020年10月9日公開)

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