最近話題のChatGPT、私の周りの大学生の友達は課題を進めるために使っていたり下らない質問を投げまくったりと、いろいろな方法で活用しています。 そして私自身もたまにこのChatGPTを使っているのですが、WordPressでのブログ運営において「ChatGPT」をどこまで活用できるのか気になったので今回検証してみようと思います。
ChatGPTとは?
多分ChatGPTとは何なのかを解説する記事など死ぬほどあると思うので、ここは手を抜いてみましょう。

あら、丁寧に自己紹介ができててえらいですねぇGPTちゃん。 ChatGPTはGPT-3.5というモデルを使用しています。GPT-3.5はGPT-3と異なり、通常のテキストだけでなくコードなどのデータもブレンドされているとのことです。 また、データセットとして双方向の会話が成り立つように会話データまで取り入れられているとのことです。
仕組みをめちゃくちゃ噛み砕いて説明すると、
- Web上の大量のデータから教師なしで学習
- 会話データセットを使ってチューニング
- このモデルを実際に人が使ってみて評価
- その評価情報を使ってさらにチューニングを繰り返していく
っていう感じの手順でより人間らしい回答ができるようにモデルを改良していってる感じですね。コンピュータの正確さ、処理能力の速さと人間特有の価値観を融合させて、効率よく高精度なものを開発している感じでしょう。
そしてChatGPTではWeb上のコードデータなども学習しているとのことで、プログラミングにも応用できる可能性を秘めているということですね。
ただし、もう学習完了してしまっていて最新のデータは取り入れられていないようなので注意が必要ですね。また機会があったらChatGPTについてもわかりやすく解説したいと思います。
WordPressに活用してみる
さて本題です。WordPressによるブログ運営において、一体どれほどChatGPTを活用することができるのかといった検証ですね。もちろん実用的な範囲で活かせるかどうかを評価していきます。
WordPressカスタマイズ編
まず最初にWordPressのカスタマイズ編です。WordPressによるブログ運営においては記事を作成する以外にもデザインを整えたり機能を作ったりなどやることがたくさんあります。そして深掘りしていくとPHPのスキルなども必要になってくるので、まかせられるものなら任せたいところですね。
「WordPress投稿ページのテンプレートを作って」

さて実行結果が以上の通りです。もしかしたらテンプレートのPHPコードを出力してくれるかなとちょっと期待していた部分はあるのですが、流石にそれはなかったですね。それでも予想を遥かに上回るくらい的確な回答を出してくれました。 WordPressのページテンプレートにはいくつもの種類があり、その中でも「投稿ページ(新着記事一覧が表示されるページのテンプレート home.php)」と「記事投稿ページ(各投稿のテンプレート) single.php」が混同してしまいがちです。
しかし一般的に「投稿ページ」というと後者のことを指すことが多く、今回も私はそのつもりで「投稿ページのテンプレートを作って」とお願いしました。
そしたらちゃんと思った通りにsingle.phpの方を提案してくれてて、その上にカスタム投稿タイプの説明までしてくれています。めちゃくちゃわかりやすいですね。
また、言葉だけでなく「the_title()」など具体的な関数名まで使って説明してくれています。 この説明を見ただけで実際に作れるかといったらそれはないですが、開発の流れみたいなのはある程度把握することができます。 そしていざ開発するときにはやはりGoogle先生の活用が欠かせないでしょう。
「WordPressのfunction.phpの書き方教えて」

WordPressのテーマ関係ファイルの中でも最も重要な「function.php」に関してですが、WordPress独特の関数の使い方が結構難しく、手間取っている人も多いということで聞いてみたわけですが、めちゃくちゃ丁寧に回答してくれました。
最初にfunction.phpとはなんなのかについて軽く触れた後、function.phpの編集の仕方についても軽く触れていてとても丁寧ですね。
そして「カスタムメニューを作成するための関数を作成することができます」のくだりはただ関数を立てているだけなので不完全な気がしますが、その後にWordPress特有の「アクションフック」や「フィルターフック」について実際にコードを紹介しながら解説してくれています。
コメントアウトで解説までしてくれていてわかりやすいですね。ただし例で出している「init」というアクションフックがなんなのかよくわからないのと、フィルターフックの「the_content」の説明も特にはされていないですね。 そのため、ChatGPTが回答してくれるのは基本的にソースコードなどのテンプレートであったり開発の流れなどの説明等であって、そこまで具体的なコードを記述してくれるわけではないので開発にそのまま使えるということはないようですね。 最も、function.phpに関してはWebサイトによって本当に中身が変わってくるので、共通な部分だけ取り出そうと思ったらテンプレートみたいになったといった感じだと思いますが。
「WordPressに入れるべきプラグインを教えて」

プラグインはWordPressの中でも一番といっていいほど特徴的な機能の一つです。「プラグインの作り方教えて」と聞いてみたら先ほどのテーマテンプレートの作り方みたいな感じで丁寧に教えてくれましたが、じゃあ今度はおすすめのプラグインを聞いたらどう答えるのか気になって聞いてみました。
そしたら割とどのサイトにも共通してお勧めできるプラグインをもれなく紹介してくれました。特にキャッシュ系とSEO、セキュリティ系のプラグインに関してはもう当たり前のようにみんな入れていますよね。 そして最後に「ウェブサイトの目的に応じて、必要なプラグインを選択してください」と丁寧に説明してくれています。 やはり最終判断をChatGPTに任せることは難しいですが、手続きの流れとかセオリーとかテンプレートみたいなのをわかりやすく教えてくれますね。
なお注意しなければならないのは、学習データが最新のものではないということですね。そのため、プログラミングコードについても脆弱性が確認されている書き方を提案してくる可能性もありますし、もう使えない関数を提案してくる可能性だってあります。プラグインに関しても、もう使えなかったり、もう管理されていないものが提案される可能性もあるので、回答を鵜呑みしてはいけないですね。そこら辺はGoogleを活用して調べるときも同じですが、多くの人は「Googleの検索結果に出てくるサイトに嘘の情報が紛れていても、ChatGPTは間違ったことは言わないだろう」と誤解、、というか錯覚していたりすると思います。 ですが実際ChatGPTのデータ取得もWebですし、人間がモデル作成に関わっている部分も全体からみるとごく一部だったりするので、正しいと信じ込んではいけないです。
投稿編
とりあえずWordPressのカスタマイズについて色々聞いてみたわけですが、ブログ運営で結局一番時間を使うのは間違えなく「記事作り」でしょう。 そんな記事作り、つまり投稿関係の処理をAIに任せることができるなら最高ですよね。 色々試してみましょう。
「いい感じの記事を作って」

さてまずは夢のあるような質問です。「いい感じの記事を作って」 ブロガーなら誰もがAIにこのお願いができればなと想像したことがあるでしょう。 もしも人工知能が高速に正確な記事を作ってくれるならもはやブロガーは一日中寝てるだけでも稼げそうです。
いい感じの記事を作ってとお願いしても、「いい記事を作るための心得」みたいなのを教えてくれただけなので、実際に作ってもらうために「iPhone 14 Proの紹介記事を作って」と具体的にお願いしてみたところ、なんと自動でそれっぽい記事を作ってくれました。
かなり短く、要点だけまとめてくれている感じですね。ただ色々間違えていますね。「フルスクリーンのディスプレイが実現」というところも誤っていて、実際はノッチが残っています。
そして「指紋認証も搭載され」とありますが、実際は搭載されませんでした。 これは、単純にChatGPTの学習データが2021年までの情報だからですね。iPhone 14 Proが登場したのは2022年の後半のことですので、真実を知らないのも無理ありません。ではなぜここまでちゃんと記事が作れたのかということですが、2021年にすでにiPhone 14 Proに関する噂情報がたくさん投稿されていたためです。そこであたかも真実かのように語られていたことで、ChatGPTはこれを真実だと思い込んでしまったのでしょう。
じゃあiPhone 12 Proだったらいけるんじゃないかと思いましたが、

デザインからして間違っています。「前モデルと同様に丸みを帯びたデザイン」と言っていますが、実際はiPhone 11シリーズから12シリーズにかけてデザインは大きく刷新され、iPhone 12シリーズでは角ばったデザインとなりました。というかそれがiPhone 12シリーズの最大の特徴ですね。
なんでこんな回答になってしまったのか、Googleで「iPhone 12 Pro 丸みを帯びたデザイン」と検索してところ、大体の記事で「角ばったデザインになった」ではなく「iPhone 11 Proまでは丸みを帯びたデザインでした」みたいな表現方法が使われていました。これで勘違いしてしまったのかと思います。
このように、たとえAIだとしても勘違いで事実とは180度異なることを事実かのように言ってしまうことはあるようです。これだと記事の作成は完全には任せられないし、情報収集としてもあまり使えないですね。というかブログ運営においては情報の新しさというものもかなり重要になってくるので、最新の情報が取得できない時点でChatGPTに記事作成を任せるのは適切とは言えませんね。
また、情報の新しさがそこまで重要にはなってこない、「〜の方法」みたいなハウツー系の記事に関してはかなり詳しくわかりやすく説明できてないと検索結果の上の方には乗らないと思うので、簡易的な記事しか作成してくれないChatGPTにお願いするのはちょっと無理がありそうです。
良い記事を作るための心得を聞いたりするのは効果的かもしれませんね。
「投稿を要約して」

記事の作成を任せるのは難しいとして、自分で作った記事をいい感じに要約してくれればそれだけでもかなり助かるだろうと思って聞いてみました。一度記事の内容を送った後に、「要約して」とお願いすれば会話の履歴から参照してくれて処理を行ってくれるようです。
長すぎる文章は無理とのことで、この記事で先ほど書いたばかりの文章をそのまま入力してみました。
そしたら話の主役がChatGPTであることを理解しつつ、ChatGPTがどういう立ち位置なのか、どういう機能があるのかについてもしっかりと汲み取っている答えが帰ってきました。すばらしいです。「人工知能による記事作成ツールであるChatGPT」と記述しているところから、恐らくChatGPT自身は自分のことを言われているという自覚はないのでしょう。
しかし「自然言語処理をして」という記述をしているので、私が記述した「勘違いしてしまったのかと思います」付近の文からChatGPTが自然言語処理を使って文章を生成していることを判断できたようです。ただ単に要約しているだけでなく、ChatGPT自身が持っている莫大なデータも参照しながら、それを説明できる適切な言葉というものを随時探してコンパクトにまとめてくれていますね。 すごいです。
この回答のまま記事の載せるというのはちょっと難しいですが、この回答を参考にすればだいぶ楽に自分の記事を要約したり、参考にしている記事を要約してより素早く情報収集を行うことが可能になりそうです。
結論
ChatGPTを駆使してWordPressでのブログ運営をより楽にできるか、色々検証してみましたが、結論を述べますと
- 記事作成やサイトのカスタマイズ等を完全に任せることはできない
- 正しい情報・新しい情報を期待することは完全にはできない
- 各手続きの流れやテンプレートなどを教えてもらうことはできる
- 要約は強い
って感じですね。すべてにおいて言えることではあるのですが、ChatGPTを使ったからといって人間が全く介入しなくて良くなるのかと言ったらそんなことはないですね。そのため、記事作成をお願いするのは難しいですし(自分のサイト向けにパーソナライズするのも難しいし)
情報の信憑性についても人間がしっかりと吟味しなければなりません。 とにかく、ChatGPTを利用するにしても「方法を聞く」みたいな使い方にするべきなのと、情報の新しさを期待してはいけないということを心得なければならないといけません。
あとは、やはりChatGPTということで言語系に強いので要約とかの処理に関してはかなり信用しても良さそうですね。
ブログ運営には夢を感じるほどは活用できないことがわかりましたが、他の場面ではフル活用できそうなくらい高機能なAIですので、今後もいろんなことに活用していきたいと思います。
今後もAIに関する記事をたくさん投稿していきますのでどうぞよろしくお願いします。