自作パソコンを作るにあたって最も重要なパーツはやはりCPUだと思います。でもCPUは大量の熱を発しますので、専用の冷却装置が必要になってきます。そこでCPUクーラーというものを利用するわけですが、CPUクーラーを利用する際は必ずCPUに「CPUグリス」を塗布しなければなりません。
この記事ではCPUグリスの正しい選び方について説明していきます。
そもそもCPUグリスとは?
CPUグリスの正しい選び方について説明する前に、そもそもCPUグリスとはなんなのか? について知っておいた方が良いでしょう。
この記事ではCPUグリスはどんな役割なのか? なぜ必要なのか? どんな種類があるのかについて解説しています。
正しいCPUグリスの選び方
それでは正しいCPUグリスの選び方についてそれぞれの要素別に紹介していきます。
素材・熱伝導率
まず最初はCPUグリスの素材と熱伝導率についてです。様々な素材のものが市場に出回っていますが、主な種類は以下の通りです。
- シリコングリス
- シルバーグリス
- ゴールドグリス
- ダイヤモンドグリス
最も主流なものはシリコングリスで、その次にシルバーグリスが定番といったところでしょう。また、先ほど紹介した記事でも説明していますが、主にこの素材によって変わってくるのは質感と熱伝導率です。 ではそれぞれの特徴について説明していきます。
シリコングリス
最も主流なのがシリコングリスです。文字通りシリコンを主な素材としており、金属光沢がないのが特徴です。また、他の素材のものよりも比較的安価に手に入れることができますが、他の素材のものに比べると若干熱伝導率に劣る傾向にあります。ただし多くの場合はシリコングリスで十分です。
ゲームなどの重い処理を行う場合やオーバークロックなどを楽しみたい場合以外は基本シリコングリスで大丈夫です。私もこれまでにシリコングリスを多用してきましたが、特に温度に困ることはなかったです。ただ個人的にシリコングリスだと長期間使った後カサカサになっていることが多い印象ですね。
相場:1g当たり100円程度
シルバーグリス
シルバーグリスは銀が含まれているCPUグリスになります。銀は金属の中でも熱伝導率が高い方で、シリコングリスと比べても比較的熱伝導率が高い傾向にあります。金属光沢のような色味もあり、シリコングリスと比べると若干硬い傾向にあるのも特徴です。高性能なCPUを使い、CPUクーラーについても冷却システム等を導入しようと考えている人にとってはおすすめの素材です。
ただし、特に理由がない人はシリコングリスで十分だと思います。
相場:1g当たり300円程度
ゴールドグリス
一部シルバーならぬゴールドグリスというものも存在しますが、熱伝導率はシルバーグリスに若干劣っている傾向にあります。ただ、見た目がゴールドなので一部の人は好むかもしれません。でもゴールドグリスと言いながらも主成分は銅だったなんてこともあるみたいなのであくまでもゴールドは色だけだと思っておきましょう。
相場:1g当たり200円程度
ダイヤモンドグリス
ダイヤモンドは金属よりも数倍程度熱伝導率が高いです。しかし商品に記載してある熱伝導率としてはシルバーグリス等と大して変わらないケースが多いです。
シルバーグリスと同様に、一部のオーバークロッカー等に愛用されているようですが、特にこだわりがない限りあえてダイヤモンドグリスを選ぶ必要はないと思います。また、市場に出回っている量が少なく、価格もそこそこ高いです。
相場:1g当たり500円程度
他にもシート状のものや液体金属など様々な種類はありますが、主なものは以上の通りでした。 ただ、シリコンベースでシルバーを若干含ませていたり、シルバー含有量が少なかったりなど、商品やメーカーによって素材の配合量がかなり異なってきますので、結局は商品説明に書いてある数値を見た方が良いですね。
絶縁性
CPUグリスの中には「絶縁性」と表記されているものもあります。これは文字通り電気が流れないようになっているという意味で、万が一CPUからはみ出て基盤にグリスがぶちまかれてしまったとしても電気回路に影響を及ぼすリスクがありません。 といっても絶縁性と書かれていないものでも塗布する量をよっぽど間違わなければ回路をショートさせることはほとんどないと言われている現状でもありますね。
そのため気になる人や自信がない人は絶縁性と書かれているものを購入した方が良さそうです。素材の配合量にもよりますが、シリコングリスには絶縁タイプのものが多いです。
内容量
一般的なCPUなら1gの塗布で十分です。それ以上塗布するとCPUクーラーを取り付けた時に周りにはみ出てしまったりし、塗布しなおすときに掃除が大変になったりするだけです。 ただワークステーション向けCPU(Intel Xeon等)はパッケージの大きなものが多いですので、5g程度のものがあると安心です。 自作パソコン系Youtuber等でもない限りCPUグリスを何度も塗り替えるということはあまりないと思いますので、必要最小限の量のものを買いましょう。
正直多く買ったところで使わなかったら処分に困るってのはありますね。 ただ、市場では1gのものから大容量のものまで様々なものが売られているのでちょうど良い容量のものが見つかると思います。
タイプ
基本的には注射型のもので、後ろからピストンを押すと前から出てくるものが多いです。
![](https://bablishe.com/wp-content/uploads/2020/04/cpu_grease_whole.jpeg)
特にこだわりが無ければこのタイプで良いと思いますが、大容量タイプのものにはカップに入っている場合もあります。
![](https://bablishe.com/wp-content/uploads/2020/04/huge_amount_of_grease.jpg)
業者かよって感じですが、実際に業者だったらかなり助かるかもしれないですね。指でとって指で塗るというスタイルを突き通したい人はこれでも良いのかもしれません。 もちろん普通のグリスに比べて大容量な分お買い得となっています。
付属品
CPUグリスの付属品は商品によって違います。様々な塗り方がありますが、塗布してからパッケージ全体に広げるためのヘラが付属されていることが多いです。また、中には指で直接広げたいという人用に指サックが付属しているものもあります。
あとは既についていたグリスを掃除するためのシートが付属している場合もありますので、付属品もしっかりとチェックした方が良さそうです。
逆に、既にこれらのツールを持っているという人はグリス単体のものを購入した方が比較的安価で済みます。
おすすめCPUグリス
最後にBableTechがおすすめするCPUグリスだけ紹介して終わろうと思います。
Amazon
Rakuten
※商品が表示されない場合は上のAmazon等のタブをクリックしてください
こちらはCPUグリス界で最も人気ともいえる商品です。4gと大容量でありながら1000円程度で販売されているので失敗したときでも安心です。熱伝導率もそこそこ高いですのでこのグリスを使えば「CPUグリスが原因で冷却不足」ということは起こらないでしょう。 CPUクーラーを真っ先に疑うべきですね。
そしてなんといっても塗りやすい上に、長時間使ってもカピカピになりにくいですので経年劣化が起きにくいです。
Amazonでの平均評価は6000レビュー中 ☆4.8となっていますので最高級ですね。
Amazon
Rakuten
※商品が表示されない場合は上のAmazon等のタブをクリックしてください
シルバーグリスを好むならこちらの製品一択です。こちらのCPUグリスは大手パソコン販売店のパソコン工房でも愛用されているみたいで、数々の実績があるとのことです。
熱伝導率は9W/m・Kと、一般的なシリコングリスよりも高くなっていて、内容量も3.5gと、ちょうど良いものになっています。そしてAmazonでの評価は500件程度あるレビューの内 ☆4.4となっていて、かなり高いです。