ゲーマーが持っているパソコンではなく、インターネットを通してどこか遠くにある専用のサーバーを使って処理を行う「クラウド型ゲームサービス」の考えは結構前からありました。そしてその代表的なものがNvidiaの「GeForce NOW」です。GeForce NOWのベータテストが開始されたのは2020年になってからのことで、いよいよ本格的に始動しました。
この記事では、クラウド型ゲームサービスの代表である「GeForce NOW」はどれくらいの性能を提供するのかについて解説していきます。
なお、まだ正式には発表されていませんので情報の信ぴょう性は低いです。
この記事を2文で説明すると
- Nvidiaが提供するGeForce NOWでは、おおむねRTX 2070程度の性能が提供されると期待される。
- 細かい料金体勢等はまだわからないため、コストパフォーマンスが良いのかは判断できない
GeForce NOWの仕組み
具体的な性能について語る前に、今一度GeForce NOWというサービスの仕組みについて説明していきます。これにつきましては以前当サイトで記事を作りました。
GEFORCE NOWとはなんなのか?【世界一わかりやすく説明】

実際はもっと複雑なのですが、簡単にいえばこのような感じです。ある程度の性能が保証されているサーバー内でゲームの処理を行うため、ゲーマーのパソコンの性能にあまり依存しないというのが特徴です。なお、インターネット回線が安定していることが大前提となっているサービスです。
そのため、これから説明していく性能についても、インターネット回線が安定しているうえでの話になります。
そしてこの処理サーバー内では主に「グラフィックボード(映像処理装置)」が活躍してくるわけですが、Nvidiaはグラフィックボード(GPU)を製造している会社ですので自由自在にサーバーのカスタマイズを行うことができます。
そしてプレイしている私たちは「どんなグラフィックボードを選べばいいのか」等気にする必要がなくなります。
ただし、ゲーミング処理専用サーバーとはいえどもある程度バランスを良くするためモンスター級の性能を保有するわけではありません。そのため場合によっては自分の使っているパソコンを使ったほうが快適にゲームをプレイできる可能性すらあります。
そのため、GeForce NOW等を契約する前に、一体どれくらいの性能を提供してくれるのか確認しておく必要がありますね。
GeForce NOWの性能とは
大まかな仕組みについて話したところで、続いてGeForce NOWの性能を紹介していきます。
Nvidia GeForce RTX 2070程度
あらゆる情報を考慮すると、GeForce NOWは「RTX 2070」程度の性能を提供してくれると期待されます。
かなり重いゲームで有名な「アサシンクリード・オデッセイ」のフルHD(1920 x 1080)最高設定ではおおむね60fps程度を実現していて、この数値はおおよそRTX 2070に相当します。
GeForce NOWは基本的にフルHD解像度でのゲーム配信を行うため、ほぼどんなゲームでもプレイできるくらいの性能は保証されていることがわかります。
そしてアサシンクリード・オデッセイのような重たいゲームでなければ、更に高いFPSで快適にプレイすることができるでしょう。
最低でも10万円以上は出さないとRTX 2070同等の性能を保有するパソコンを構成することは困難であるため、見方によってはかなり手軽なサービスになるかもしれません。なお料金体勢についてはまだ詳細が不明となっているため、どれくらいのコストパフォーマンスを実現するかは謎です。また、もしかすると様々なパフォーマンスプランが存在するかもしれないので、性能も一定にはならない可能性があります。
また、ノートパソコンではほぼ確実に実現することができない性能ですので、外で重たいゲームをプレイする場合等にはこのサービスは相当役に立つのではないかと考えられます。
具体的なハードウェア構成
GeForce RTX 2070と同等の性能を保有するということで実際にサーバーにRTX 2070 GPUが搭載されているのではないかとも考えられますが、どうやら違うようです。
これはあくまでも噂程度の話になりますが、GeForce NOWサービス内で行ったベンチマークテストによると、このサーバーにはIntel製のCPUとNvidia製のGPUが搭載されているとのことです。
CPU
サーバー一台のハードウェアをすべて独り占めできるわけではなく、実際には「インスタンス」として分割されるわけですが、おおよそ一人当たり4コア8スレッド分のCPUを使うことができるようです。
そしてCPUの具体的な仕様は以下の通りです。
比較項目 | Corei7-9700K | CC150 | Corei9-9900K |
---|---|---|---|
プロセス | 14nm | 14nm | 14nm |
ソケット | LGA 1151 | LGA 1151 | LGA 1151 |
コア/スレッド | 8/8 | 8/16 | 8/16 |
ベースクロック | 3.60GHz | 3.50GHz | 3.60GHz |
ブーストクロック(シングルコア) | 5.00GHz | 3.50GHz | 5.00GHz |
ブーストクロック(全コア) | 4.60GHz | 3.50GHz | 4.70GHz |
その型番は「CC150」となっていて、少なくとも一般的な消費者向けCPUではないことが伺えます。
そしてコア数についてはCorei9-9900Kと同じ8コア16スレッドになっていますが、どうやらそのうちインスタンスで使えるのは4コア4スレッドのみです。
そしてクロック数については全くターボされておらず、「ターボ・ブースト・テクノロジー」が採用されていないことがわかります。
しかし私が独自にベータテストで調査したところ、Corei9-9900Kと同じコードネームでした。

ですが結局4コア4スレッドしか使えないので、おおむねCorei7-9700Kと同等の性能を発揮するでしょう。このくらいの性能があればどんなゲームでもグラフィックボード次第で快適にプレイできます。
GPU
Nvidiaの大本命、グラフィックボード、というよりは「GPU」については「Nvidia T10-8」という型番のものが発見されました。
こちらもCC150と同様、一般的な消費者向けに提供されるものではないと考えられますが、その構成としては「TU 102」がベースとなっているとのことです。
このダイは「RTX 2080 Ti」で採用されたもので、ウルトラハイエンド向けとなっています。
なのでもはや「RTX 2080 Ti」が搭載されているという認識でも良いのですが、型番が全く違いますので、GeForce NOW向けにどこか特化しているのかもしれません。GeForce NOWのサービスを通して確認することができるハードウェア構成はこれくらいです。
RTX 2080 Tiが搭載されているということで最強の性能ということにはなりますが、インターネットを通して通信している分多少たりともボトルネックが発生しますので、エンドユーザーの体感ではRTX 2070程度になるのでしょう。
メインメモリ
メインメモリはおよそ8GBのようです。

GeForce NOWは高性能な方?
もちろんこの手のゲーミング配信サービスを提供しているのはNvidiaだけではありません。同じくらい有名なものとしてGoogleの「Google Stadia」があります。
あのGoogleが提供するクラウドゲームサービスはいつ普及する?【Stadia】
Stadiaについてもある程度の環境が整い、体験をすることができるところまできているのですが、どうやらその性能としては全体的にGeForce NOWに劣るみたいです。
確証は得られませんが、確かにNvidiaの方がハードウェア面でより力強いサポートを施すことができるだろうとは思いますね。
ただ、先ほども言った通り、詳しい料金体勢や動作環境についてはまだわかりませんので、正式にサービスがスタートしたらその時にまた紹介していきます。
ちなみに私もベータテストを試してみました。以下の記事をご覧ください。