もう十年以上も前の話になりますが、AppleがiPhoneという新しいデバイスをこの世に初めて紹介した時、どれほど人々は興奮したことでしょうか。
そしてその感動の瞬間がまた到来するかもしれないです。 それは「Apple VRヘッドセットの登場」ですね。
VRヘッドセットは既に結構前から市場に出回っていて、別に珍しいものではないですが、Appleが提供するものは全く新しいものになるかもしれないと話題になっています。
今回はそんなApple VRヘッドセットの噂情報をまとめていきたいと思います。
この記事の要点
- Appleから2023年6月にVRヘッドセットが発表され、2023年内には数十万円程度で発売される可能性
- Apple M2 Pro同等の処理装置+VR用の専用処理装置が搭載される可能性
- 専用の「vrOS」というOSが採用され、虹彩認証(Iris ID)が実現されるかも
- 手のジェスチャー、指の動き、目の動きでコントロールができるようになる可能性
- ディスプレイはVRヘッドセット史上最高のスペックになることが期待
- ゲームだけでなく、仕事にも活かすことができるデバイスになりそう
Apple VRヘッドセットの名前は?
具体的な技術仕様を紹介したいところですが、その前にAppleの新しい製品シリーズということで、そもそもどんな名前になるのか、どんな立ち位置の製品になるのかについて議論していきます。
モデル名は?Reality Pro?
モデル名についてですが、Reality Proのようになるのではないかと噂されていたりします。
これはAppleが商標登録をしたことに起因しますね。他にもReality OneやReality Processorという名前も登録されていたりするみたいですが、この三つの中で最も製品の名前らしいのはReality Proでしょう。
それかもしくはReality Oneが標準モデルでReality Proがその上位モデルになるみたいな感じかもしれません。
ただ、Appleはこれまで新シリーズを登場させるときは「Apple~」みたいな名前にしてきたみたいなので、今回Reality~になるというのは考えにくいという意見もあるそうな。
個人的には、シンプルにApple VRとか、もしくはMac VRみたいな名前になる可能性もあるんじゃないかと思っています。 それかiVRとかですかね。
どんな存在になる?
Appleが一体どのような位置づけでこのデバイスを開発するのかという問題です。既存のVRヘッドセットは基本的にゲームに使われることが想定されていて、どちらかというと趣味のためのデバイスといった感じですね。
しかしながらAppleのVRヘッドセットはゲームはもちろんのこと、仕事等にも大いに活用できるようなMacパソコンのような存在になるかもしれないと噂されています。
実際のところ、Appleがこれまでに開発してきたデバイスはどれも生活必需品になれるようなものばかりで、iPhoneとかも最初は「好きな人だけが使うやつでしょ~」みたいになっていましたが、今ではもう全国民が持っているといっても過言ではないほど生活必需品ですよね。
Apple VRヘッドセットの見た目
内部仕様を早く紹介したいところですが、新製品ということでその見た目も非常に気になりますよね。
現在噂されているのは上のようなデザインです。見た目はなんか普通のVRヘッドセットって感じですね。この後仕様については詳しく紹介しますが、恐らくたくさんのカメラやセンサーが搭載されているとのことです。それにしては見た目は非常にすっきりしていて、シンプルですね。
軽量さを重視した結果なのか、頭に取り付けるためのベルト?のようなものはちゃちい見た目になっていて、なんか思っていたのとは違う感じです。
Apple VRヘッドセットの仕様
続いては最も気になる内部仕様についてです。もちろん噂情報になります。
上の表は現在噂されている仕様をまとめたものです。通称BableTech仕様データベースですね。
それぞれ解説していきます。
OS
このVRヘッドセットには様々なセンサー等が搭載されてAppleの他のデバイスとは全く違うシステムを実現する見込みということで、OSについても専用のものが導入される可能性が高いです。
それが通称xrOSと呼ばれるもので、XRというのはVR(仮想現実)/AR(拡張現実)などの技術のことを指します。他にもReality OSという名前になるのではないかとも噂されていますね。
このOSではこのデバイスでしかできないような様々なジェスチャーを使ったコントロールや、UIなどを実現するとのことです。
このOSを使えば、既存のiPadアプリをほとんどそのまま利用することができるようになるとも言われています。恐らくiPadやiPhoneに最適なUIをこのxrOSが良い感じにVR用に整えてくれるのでしょう。
センサー・コントロール・カメラ
このヘッドセットではジェスチャーによる直感的なコントロールが実現されるという噂があります。
コントロール
- ハンドトラッキング
- アイトラッキング
- 指での操作?
上のように様々な方法で操作することができるようになると噂されています。ハンドトラッキング(手で操作)に関しては手で握るデバイスによって実現されると考えられていて、アイトラッキング(目線で操作)はヘッドセットの中にあるカメラなどのセンサーによって実現されると考えられています。
三番目の指での操作についてですが、
(画像クレジット: Apple/USPTO)
上のような指に装着して指の細かい動きを検知して操作することができるようになるかもしれないとのことです。 とても便利そうですね。文字入力とかもうまいことこれでできるようになりそうです。
また、これらのコントロールを実現するためにこのヘッドセットには
- 最大15台のカメラ(6つは生体認証、8つは外界キャプチャー用?、もう1つは不明)
- LiDAR(3Dセンサー)を含む様々なセンサー
等が搭載されるようになると言われています。
LiDARスキャナはiPhoneにも搭載されていたりしますが、VRヘッドセットに搭載すればより活かせそうですよね。
【iPhone 12 Pro】LiDARスキャナーで家を3Dスキャンしてみた【3D Scanner App】
ディスプレイ
VRヘッドセットを装着してしまえばそこで見えるのはもう映像だけですから、ディスプレイは最重要ともいえるでしょう。
Appleはディスプレイに関して特にこだわっている企業なイメージがありますが、そんなAppleが本気を出すかもしれないとのことです。
ディスプレイの仕様
- 片目4K解像度の合計8K解像度
- 最大輝度5000ニト
- マイクロLEDバックライト採用
- 最大120Hzのリフレッシュレート?
上のような最強ディスプレイになると考えられています。
解像度についてですが、現在VRヘッドセットの中でも有名な「Meta Quest Pro」については片目解像度がフルHD程度となっているのに対してAppleのヘッドセットでは片目だけで4Kというびっくりするくらい高い解像度になることが予想されています。
両目合わせたら8K解像度ということになるので、恐らくこれ以上高い解像度は必要ないでしょう。
そして液晶ディスプレイ方式が採用される見込みですが、そのバックライトとしてミニLEDよりもさらに微細な「マイクロLED」が採用されるかもしれないとのことです。
マイクロLEDディスプレイとは? メリットから仕組みまで【図解】
VRヘッドセットではディスプレイサイズ自体は相当小さいので、ローカルディミング(局所的にバックライトの明るさを調節する) を行おうとしたときに、相当バックライトが細かくないとできません。
そのため、Meta Quest ProではミニLEDという小さなLEDを採用することでコントラスト比を高めることに成功していました。
しかしそれでも飽き足らん、AppleはマイクロLEDというさらに小さなLEDを採用することでよりコントラストを良くしてHDR機能を実現したり、最大5000ニトにも達するような輝度のディスプレイを実装しようとしているとの噂があります。
iPhoneでも現在最大ニトは2000程度なので、その倍以上と考えると相当明るいことが分かります。 とはいえニトという単位はあくまでも単位面積当たりの光量を示しているものなので、レンズによってディスプレイが視界を覆うくらいの大きさまで拡大されることを考えると、5000ニトくらいが一番ちょうど良いくらいになるのかもしれません。
また、MacBook Pro等に既に実装されているPro Motionという最大120Hzのリフレッシュレートを実現するテクノロジーが盛り込まれて、より滑らかな映像を実現することができるようになるかもしれません。
処理装置
ここまで高性能ともなるとそれをさばき切れる処理装置なんて存在するのかと疑問に思ってしまいますが、今のAppleの技術を使えば可能でしょう。
- Apple M2 Pro同等以上のチップが搭載
- VR処理専用のプロセッサも搭載?
現在MacBook Proに採用されているようなApple M2 Proチップが搭載されるかもしれないと言われています。
こちらのチップは非常に性能が高く、最大で4K解像度の240Hzリフレッシュレートのモニターにも映像を出力することができるとのこと。
となると、技術的には8K解像度で最大120Hzのこのヘッドセットにも映像を難なく出力することができそうですよね。
また、このヘッドセット特有の大量のセンサーやカメラを制御するための特別な専用チップも搭載されるかもしれません。それがReality Processorと呼ばれるものかもしれませんね。
バッテリー
ここまで高性能な処理装置を搭載+大量のセンサやカメラを搭載するとなると、心配なのは電池持ちです。 iPadに比べると本体が非常に分厚いですのでその分大容量なバッテリーも搭載することができそうですが、それプラスアルファで外付けのバッテリーのようなものも登場するのではないかと言われています。
認証
このヘッドセットを装着してしまったら顔認証(Face ID)とか使えなくない?って思いますが、その代わりとして虹彩認証(通称Iris ID)というものが登場するのではないかと言われています。
上の記事で虹彩認証に関しては解説していますね。 AppleだったらこれをIris IDと呼びそうですが、こちらの技術では目の中に含まれている「虹彩」という部分のしわのようなものが一人ひとり異なることから、それを指紋のように扱って認証に利用するという技術です。
この技術はセキュリティ的にも優秀らしく、実現できたらとても良いですね。ただし多瞳孔症などの病気を抱えている人は利用が難しいとのことです。
それも加味すると、恐らくiPhoneのように虹彩認証以外でもパスワード等による認証を行うこともできるようになりそうです。 また、Touch IDが導入される可能性もありますね。
Apple VRヘッドセットの価格
価格についてですが、
- 安くても10万円程度
- 高くて30万円に達する
というようになるだろうと言われています。MacBook Proと同等の処理装置、iPhoneよりも優れたセンサーやカメラ等、新しい認証方式等を実現すると考えたらそれは10万円はいきそうなものですが、
30万円を超える可能性も非常に高いとのことで、なかなか手に入りづらいものになりそうです。
もしかするとMacの中でのMac Studioくらいの存在になるかもしれないです。
Apple VRヘッドセットの発売日
発売日、気になりますよね~。
2023年6月5日から始まるWWDCではやくも発表される可能性があるとのことで、発売日も2023年内になる可能性が高いです。
非常に待ち遠しいですね。 同時にApple Glassというデバイスも噂されていたりするわけですが、こちらに関しては以前に記事を作っていたので是非ご覧ください。