Appleは昔から、非常にディスプレイにこだわりを持っています。それはスマートフォンに対してだけでなく、パソコン用のディスプレイに対しても、他のどのメーカーよりもこだわっているといえるでしょう。
そして2022年の3月頃、Appleから発売された「Studio Display」というとんでもなく高品質で高価なディスプレイは話題になった覚えがありますが、気づけばあれから一年が経っていますね。
そして現在、このStudio Displayを超える「新しい最強ディスプレイ」が登場するかもしれないと噂されています。
今回は、そんな「新型Mac Display」の噂情報を紹介していきます。
この記事の要点
- 2024年内にPro Display XDRの後継となるMac用外付けディスプレイが登場する見込み
- 解像度は現行モデルと変わらず6K 32インチ(または5K 27インチ)になる見込み
- 最大120Hzのリフレッシュレートを実現するPro Motion技術が採用される可能性が高い
- MacBook Proに採用されたミニLEDバックライトが搭載され、コントラスト&輝度アップの期待大
Mac用ディスプレイを振り返る
これまでに、AppleのMacパソコン用ディスプレイとして発売されたディスプレイはいくつかあります。それぞれの製品に対してAppleは一体どれくらいこだわっていたのか、振り返ってみましょう。
Apple Studio Display(1998年)

まずは最初の外付けディスプレイを… と思いましたがびっくり。最新のディスプレイと同じ名前ですね。 そうなんです。「Studio Display」は実は最初に使われていた名前なんです。
今となってはだいぶ懐かしい4:3のアスペクト比を採用していて、大きさは21,17,15インチなどがありました。そして価格は20万円くらいで、当時としてはだいぶ高価なディスプレイだということが分かりますね。
Apple Cinema Display(1999年)

そして2000年代に活躍したのがこの「Apple Cinema Display」シリーズです。 1999年から2010年に渡って、「Apple Cinema Display」「Apple Cinema HD Display」「Apple LED Cinema Display」などのモデルが登場しました。
当時としては珍しいWQHD(2560 x 1440)解像度の物もあったりして、価格も10万円程と、やはりディスプレイにしては非常に高いものになっていました。
Apple Thunderbolt Display(2011年)

そして2010年代に入ったところでThunderbolt Displayなるものが登場しました。これまでのディスプレイはDVIやMini DisplayPortといった端子で接続していましたが、 このディスプレイでは「Thunderbolt」という名前のコネクタに変わりました。
ThunderboltはIntelとAppleが共同開発した通信規格で、当時はMini DisplayPortと同じ端子を利用していましたね。 そして後にUSB Type-C端子が使われるようになりました。
このディスプレイも27インチでWQHD解像度となっていて、当時としては非常に高品質なものでした。そしてこちらも10万円程でした。
そしてこのタイミングでどうやら、Appleは「もう外部ディスプレイは生産しない」と表明したそうな。
Pro Display XDR(2019年)

そして久しぶりにAppleのディスプレイが返ってきました。こちらはMac Pro 2019年モデルとあわせて発売されたものですね。
びっくりするほど高解像度な「6K」ディスプレイで、32インチという巨大さにも関わらず218 ppiというスマートフォン並みの画素密度を実現しています。
さらにXDRというHDRの進化系のような機能を持っていて、より色鮮やかかつコントラストも最強です。
しかしもっと驚くべきなのはその価格で、ディスプレイだけでなんと54万円からという意味の分からない値段になっていました。しかもスタンドは別売りで、スタンドだけで10万円。これだけでもそこそこのディスプレイが購入できそうな値段です。
ちなみに発売されてからもう数年経つ今(2023年)、なぜか当時よりも高い値段で売られていてもう訳わからないですね。
さすがに高すぎます。
Studio Display(2022年)

さて、振出しに戻ったような感じがしますが、今度は二代目のStudio Displayです。こちらが最新のAppleのMac用ディスプレイとなりますね。
2022年にMac Studioとともに発売されたディスプレイで、27インチ5KとなっていてPro Display XDRよりも少しコンパクトです。画素密度は変わりません。
そしてPro Display XDRにはなかった内カメラが搭載されました。しかもどのMacよりも豪華な「12MP超広角レンズ」が採用されました。(でもノイズが入っているとかで叩かれていましたがね)
こちらの価格は20万円程からで、Pro Display XDRに比べるとまだ良心的ですね。でも高いです。
次世代Mac用ディスプレイはこれだ!
さていよいよお待ちかねの、新型Mac Displayについてです。
まずは噂をまとめた表をご覧ください。
名前
Thunderboltディスプレイはthunderbolt規格が採用されたからだし、Pro Display XDRはMac Proとあわせて登場したからだし、Studio DisplayはきっとMac Studioとあわせて登場したからそういった名前になったのでしょう。
もし次に登場するMac Proと一緒にこの新型ディスプレイが登場したら「Pro Display XDR 第二世代」みたいになるかもしれませんし、「Mac Display 2024」みたいに一つの製品として独立する可能性もあります。
正直名前に関しては予想がつかないですね
解像度
解像度についてですが、恐らく6Kは超えないことでしょう。そして27インチなら5K、32インチなら6Kという解像度になるに違いありません。
MacBook Pro用のディスプレイは画素密度がさらに向上したりしていますが、デスクトップ系であるiMacやPro Display XDR、Studio Displayの画素密度はずっと220 ppi 程度のままです。
というのも、デスクトップ系についてはある程度離れて使いますので、これ以上画素密度を上げても意味がないと判断しているのでしょう。 そして今後もこれ以上は高くならないことが予想されます。
リフレッシュレート
リフレッシュレートというのは1秒間に何枚映像を切り替えれるかの指標で、この値が高いほど映像がより滑らかに見えます。
そしてリフレッシュレートについてはずっと固定されていて、Pro Display XDRもStudio Displayも60Hzとなっていました。 60Hzは一般的なディスプレイのリフレッシュレートって感じですが、最近では120Hzや144Hzといった高リフレッシュレートに対応しているディスプレイも多いです。
また、Apple製品についても、iPhone 13 ProからPro Motionという最大で120Hzを実現できる可変リフレッシュレートディスプレイ技術が採用されていたり、それがMacBook Proにも転用されるなどして着々と高リフレッシュレート化が進んでいます。
そしてこの「Pro Motion」技術が新型のMac用ディスプレイにも採用されるとの噂があります。
そうなったら5K@120Hzもしくは6K@120Hzというとんでもない通信を行うことになりますが、現在のMacの性能だったら普通に実現可能です。
ミニLEDディスプレイ
また、新型MacBook Proと同様に、ミニLEDバックライトが導入される可能性が高いとのことです。ミニLEDについては以下の記事をご覧ください。
有機ELを超える? 新技術「ミニLEDディスプレイ」を徹底解説【図解】
バックライトに、従来よりも圧倒的に細かい「ミニLED」を採用することで、より局所的なライトの光量調節ができるようになりコントラストを高めることができる上に輝度を高めることができます。
処理装置
Studio Displayは初めてSoC(スマートフォンなどに採用されている処理装置) を搭載するディスプレイとして話題になりました。 搭載されたのはiPhone 11シリーズなどにも採用された「A13 Bionic」チップで、機械学習専用のコアが搭載されているため画像処理性能も良かったりします。
Studio Displayには高性能な内カメラが搭載されていたりして、このチップと組み合わせることでより良い性能を実現することができたわけですね。
そして今噂されている新型ディスプレイについても同様に、SoCが搭載されるとのことです。
恐らく搭載されるのは、A14 Bionicチップあたりになるのではないでしょうか。新型iPadにも採用されていたりして割と広く使われているチップですし。
内カメラ
Mac Studioと同様に、12MPの高解像度内カメラが搭載されると噂されています。そしてより進化した処理装置によって、ノイズの少ないさらにきれいな映像を流すことができるでしょう。
そして、もしかしたらMacBook ProやMacBook Airのようなノッチ型の内カメラになるかもしれませんね。
次世代Macディスプレイはいつ登場する?
そしていつ登場するのかといった話ですが、2024年内には登場する見込みです。
というのも、2024年に入ってからM3 Pro/Maxチップを採用しているMacBook Proシリーズが登場する見込みで、そのあとにデスクトップのProシリーズが登場する可能性が高く、そのタイミングでこのディスプレイが発売される可能性が高いということですね。
価格についてですが、どちらかというとPro Display XDRの後継になるモデルであるため、もしかすると60万円くらいからという軽自動車価格になる可能性も考えられます。恐ろしい。
なんでこんなに高いのかという話ですが、絶妙に6Kディスプレイというものが市場に出回っていなくて、そもそもここまでの性能を持っているディスプレイとしての希少価値が高いんですよね。
そのため、ディスプレイにおけるウルトラハイエンド市場を寡占している状態に近く、ここまで値段を釣り上げてもやっていけているという感じもします。あとはAppleという付加価値ですね。
なんかAppleって消費者のニーズに合わせるという「消費者に引っ張られている面」も持っていれば、新しいニーズを創出しているという「Appleが消費者を引っ張っているという面」も持ち合わせている印象で、それだから市場に無いような「見たことないもの」を次々と作り出していっている気がしますね。
参考記事:https://www.macrumors.com/2023/04/18/24-inch-imac-and-imac-pro-rumor-recap/