お久しぶりでございます。BableTechの記事を作成するのが実に久しぶりな管理人でございます。いろいろありましてここ一か月くらい全く記事作成の方ができていなかったわけですが、どうやらその間にコンピュータ界では様々な出来事があったようですね。
その中でも一番大きなイベントはやはり「Intel 第12世代Alder Lake CPU」シリーズが発売されたことでしょうか。第11世代CPU(今私が使っているシリーズ)が発売されたのが2021年の春ごろの話だったので次世代の登場が早くて驚いていますが、登場したということでこちらのシリーズの性能について紹介していきたいと思います!
Alder Lakeアーキテクチャの特徴について
本当に記事作成が久しぶりすぎてどのような流れで作っていたかを忘れかけていました… この手の記事の時はまずはこのCPUシリーズの特徴について解説するのがルーティンでしたね。以前にBableTechに投稿した記事では主にAlder Lakeアーキテクチャの噂情報についてお伝えしていたわけですが、今回は実際に発表されているため事実をお伝えすることができます。
Intel 7プロセス半導体
CPUにはたくさんの回路が含まれているわけですが、その回路の細かさを示す指標というものがありまして、このシリーズでは「Intel 7」というプロセスが採用されました。以前までこのプロセスは10nmなどという呼ばれ方がされていましたが、最近改名された… というか本格的に名前がつけられまして、Intel 7という称号をえました。少々ややこしいですが、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【2nmも!?】Intelの2025年までのロードマップを紹介!【10nm~2nm】
さて、今回10nmプロセスが導入されたわけですが、実はデスクトップ向けCPUに導入されたのは実に初めてとなります。2019年ごろに「Ice Lake」というモバイル向けCPUシリーズに10nmプロセスは採用されたわけですが、デスクトップ用CPUには依然としてずっと14nmプロセスが採用されてきましたね。 しかし今回5年ぶり、、、くらいにデスクトップ用CPUのプロセスが更新されました!
やみくもにプロセスを細くしても性能がその分高くなるとは限らないですが、十分に技術が発達したうえで製造プロセスを細くすることで電力効率を高めたり、コンパクトにしたり発熱量をおさえることができたりします。 ちなみにライバルシリーズであるAMDのRyzen CPUについてはもうすでに7nmプロセスを採用しており、2021年中に5nmプロセスの新シリーズが登場するのではないかともいわれています。
第五世代「Ryzen CPU」情報【Zen4アーキテクチャ】
big.LITTLEコア構成
これはもうこのサイトで何十回も紹介してきたことな気がするのですが、第12世代Alder LakeアーキテクチャCPUには二種類のコアが含まれていて、省電力コアと高性能コアです。重たい処理を行うときは高性能なコアを、軽い処理を行うときは省電力コアをそれぞれ使う、など、二種類のコアを使い分けることで電力効率を高めることができます。このコア構成のメリットなどについては以下の記事をご覧ください。
【12世代】Intel Alder Lakeでは結局何ができるの?【Youtuberに最適なCPU?】
IPCが最大19%増加
IPCが何かっていうマニアックな説明については置いておいて、Alder Lakeアーキテクチャのコアは第11世代Rocket Lakeアーキテクチャのコアに比べると、19%性能が向上しました。これは、同じくらいのクロックで動作してる時にこなせる命令の数が19%増えたというイメージですね。実際のところ、消費電力を増やしたりコア数を増やしたりすると全体として必ず性能が向上するわけですが、それは実質的なCPUの進化とは言えません。
IPCの向上はコアなどを同じ条件にしたところで見られる性能の向上なので、実質的な性能の向上と言えます。
最大16コア(8C + 8c)24スレッド
このアーキテクチャのラインナップについては後程紹介しますが、このシリーズの最上位モデルは16コア24スレッドとなっています。内訳としては、高性能コアが8個と、省電力コアが8個となっていて、省電力コアはハイパースレッディングテクノロジーが採用されていないので、コア数とスレッド数が同じになっています。
第11世代Rocket Lakeシリーズについては8コア16スレッドが最大となっています。
DDR5メモリのサポート
これは噂の時点で結構言われていたことになりますけど、メインメモリとしてDDR5を新たにサポートしました。第11世代まではDDR4メモリがサポートされていましたが、ついにDDR5メモリが導入されることとなりました。DDR5メモリについては以下の記事をご覧ください。
【爆速&大容量】DDR5-7200 512GBメモリが速すぎた件【7.2Gbps】
ちなみにDDR5メモリはAMDのCPUではまだサポートされていません。
PCI-Express 5.0のサポート
こちらも元から噂されていたことになりますが、まさか本当に実装されるとは思ってませんでした、、、 第10世代まではしばらくPCI-Express 3.0までのサポートとなっていて、第11世代でようやく4.0がサポートされたかと思ったら、なんと第12世代で5.0までサポートされることになりました。5.0はまだAMDのCPUでは採用されていません。PCI-Express 5.0とはそもそも何なのかについては以下の記事をご覧ください。
PCI Express 5.0とは一体何者なのか?【徹底解説】
簡単に言うと4.0に比べて同じレーンの数でもデータ転送速度が二倍になったといった感じですね。
Wi-Fi 6Eのサポート
加えて、第12世代Alder Lake CPUでは「Wi-Fi 6E」という規格がサポートされました。こちらはWi-Fi 6の進化版で、通信速度自体は変わらないものの、6GHz周波数の通信をもサポートするという規格になります。この規格自体は2020年から結構話題になっていましたが、実装された例はまだあまり聞いたことが無かったですね。
以上のように、Alder Lakeシリーズではこれまでになかったあらゆる新機能がサポートされることになり、かなり進化したシリーズであるといえます。
Alder Lakeシリーズのラインナップ
ここで、このシリーズのラインナップについて解説していきます。
CPU |
コア/スレッド |
Pコアベース/ブースト |
Eコアベース/ブースト |
L3キャッシュ |
TDP |
予想(希望小売価格)価格 |
Core i9-12900K |
8C8c/24 |
3.2 / 5.3 GHz |
2.4 / 3.9 GHz |
30 MB |
125W |
599米ドル |
Core i9-12900* |
8C8c/24 |
3.2 / 5.2 GHz |
TBA |
30 MB |
65W |
509米ドル |
Core i9-12900T* |
8C8c/24 |
TBA / 4.9 GHz |
TBA |
30 MB |
35W |
TBA |
Core i7-12700K |
8C4c/20 |
3.6 / 5.0 GHz |
2.7 / 3.8 GHz |
25 MB |
125W |
429米ドル |
Core i7-12700* |
8C4c/20 |
3.6 / 4.9 GHz |
TBA |
25 MB |
65W |
359米ドル |
Core i7-12700T* |
8C4c/20 |
TBA / 4.7 GHz |
TBA |
25 MB |
35W |
TBA |
Core i5-12600K |
6C4c/16 |
3.7 / 4.9 GHz |
2.8 / 3.6 GHz |
20 MB |
125W |
279米ドル |
Core i5-12600* |
6C/12 |
3.7 / 4.8 GHz |
TBA |
18 MB |
65W |
249米ドル |
Core i5-12600T* |
6C/12 |
TBA / 4.6 GHz |
TBA |
18 MB |
35W |
TBA |
Core i5-12500T* |
6C/12 |
TBA / 4.4 GHz |
TBA |
18 MB |
35W |
TBA |
Core i5-12400* |
6C/12 |
TBA |
TBA |
18 MB |
65W |
203米ドル |
Core i5-12400T* |
6C/12 |
TBA / 4.2 GHz |
TBA |
18 MB |
35W |
TBA |
Core i3-12200T* |
4C/8 |
TBA / 4.2 GHz |
TBA |
12 MB |
35W |
TBA |
Core i3-12100T* |
4C/8 |
TBA / 4.1 GHz |
TBA |
12 MB |
35W |
TBA |
*→まだ発表されていないため、予想
TBA→不明
一通りのラインナップを挙げてみました。この中で現在すでに発表されているのはKシリーズのみになりますが、無印のモデルや省電力のTモデルなんかも噂されているようです。
Core i5のKシリーズ以上のCPUについては省電力コアが含まれています。パフォーマンスコア(Pコア)は最大で5.3GHz(シングルコア)のブーストクロックを誇っているわけですが、これは第11世代などと同じ数値になります。そして省電力コアは比較的低めのクロックとなっていますね。そして割と注目されているのがCore i3モデルについてです。まだ一つも登場していないわけですが、第12世代にCore i3が登場するのだとしたらとてつもなくいコスパの良いCPUになるのではないかと巷では期待されています。
Alder Lakeシリーズの性能
ここではこのシリーズの性能について紹介していきます。なお、ここではCINEBENCH R20のスコアを用いります。
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以上のようになっています。第10世代から第12世代のCore i5~Core i9までざっと比較してみた感じですが、やはり第12世代の勢いがすさまじいですね。CINEBENCH R20のスコアになりますが、Core i9-12900Kについては10000を超しており、とんでもない性能を誇っています。こうしてみてみると第10世代から第11世代への伸びはそうでもないですね。なんで自分は第11世代CPUに食いついてすぐに購入したんだろうってちょっと後悔しています…笑
そして第11世代から第12世代への伸びは異常といっていいほどのものです。省電力コアとはいえ、単純にコア数が増えたからというのは大きそうですが、マルチコア性能がかなり高まっていますね。 この二種類のコアは使い分けるだけでなく、両方フル活用することでとんでもないマルチコア性能を発揮することができるということでしょう。
この結果を知って第12世代に乗り換えたくなりましたが、とりあえずメインパソコンは当分買えないことにします。そのため、もしかするとそのうち二代目のパソコンとか作りだしたりして、そちらに第12世代のCPUをのせるようになるかもしれないです。その時はその時で、BableTechで紹介したいと思います。