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【第二の人生!?】一体メタバースって何なの?【仮想空間】

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時代は進化し、デジタルが作る映像などはどんどんリアルなものになってきています。任天堂から3DSが発売され、3Dブームが起きたのはいつでしょうか? 高解像度しか勝たんということで4Kブームが起きたのはいつでしょうか?

振り返ってみると様々なテクノロジーが発達して現実よりきれいなのではないかと疑問に思うくらいの映像が作り出されるようになってきています。しかし何かが足りないと思いませんか? そうです、まるでその場にいるかのような臨場感が足りないのです。どんなに解像度が高くても、テレビのフレームの中に収まっているような映像では限界があるのです。

そこで最近注目されているのが「メタバース」というテクノロジーです。この記事では、そんな「メタバース」について徹底解説していきたいと思います。

メタバースとは?

まずは、そもそもメタバースとは何なのか? その概念について紹介します。この記事を読んでくださっている方はおそらくメタバースと検索したのでしょうか。それとも仮想空間に興味があって、仮想空間について調べたらこの記事が出てきたのかよくわからないですが、おそらくメタバースの意味について深くは知らないことでしょう。

まずはこの単語の意味について説明していきたいと思います。

メタバースとは「Meta-Universe」の略

略というよりも、造語といった感じでしょうか。メタバースとはギリシャ語の接頭辞である「Meta(メタ)」と、英語の「Universe(ユニバース)」を組み合わせてできた言葉になります。

Metaというのは「後に」という意味を持つ言葉で、それが派生して「超越した」などの意味を持っています。英語では「beyond」あたりが近いのでしょうか。わからないですが、そんな「Meta」に宇宙を意味する「Universe」がつくことで、「宇宙を超越した」のような意味をつくりだしています。 なんか中二病かが半端ないネーミングセンスですが、おそらく「宇宙を超越した」というのは現世界を超越して架空の世界を作り出せるテクノロジーといった意味合いなのでしょう。 つまりここでいう「宇宙」というのは天文学的な宇宙というよりは「現世界」「現実」といった意味です。

仮想空間

メタバースという単語の意味について解説したところで、実際にメタバースがどのようなテクノロジーなのかについて解説します。 先ほど説明した通り、メタバースというのは現実を超越して架空の世界を作り出すテクノロジーです。ここで架空の世界とはデジタルの世界のことを指します。すでにインターネットが世界中で使われるようになっていて、SNSや諸ゲームなどによる国境を越えた情報のやり取りが大量に行われるようになってインターネット世界という第二の世界が存在しているように感じますが、ここでいうデジタルの世界というのは、あたかも別世界に自分が存在しているかのような映像をや感覚を表現することができる世界です。つまり、情報のやり取りを国境を越えてインターネットで行っている点は現在と同じですが、その上に感覚やよりリアルな視覚的な情報までもやりとりすることができるようになるということです。

2012年に「ソードアートオンライン」というアニメが放送され、大ブームになったことを覚えていますでしょうか。ソードアートオンライン、通称「SAO」の世界では、ナーブギアと呼ばれる脳波などを利用するヘッドマウントディスプレイのようなものを取り付けることで仮想世界の中で自分の体を動かしているかのような体験を得ることができるというゲーム(このゲーム自体の名前がSAO) が流行っていて、主人公であるキリトがそのゲームを攻略していくというものです。私も一時期このアニメを見ていましたが、その時から仮想世界を生きるゲームにあこがれていましたね。。。 おそらく「メタバース」を夢見ている人の多くはこの「SAO」から刺激を受けているのではないでしょうか。

ちなみにSAOの世界では2022年11月6日にゲームが公開されるという設定になっていて、地味に親近感がわきますね。この記事を作成しているのは2022年1月7日で、もうSAO誕生まで10か月を切ってしまっていますが、実際にSAOは誕生するのでしょうか??

とりあえず、最近になってメタバースが流行ってきているので、もしかすると2022年内にSAOを実現したい人が増えているのかもしれませんね笑

メタバース・システム

ちなみに余談ですが、私は現在大学一年生で、一応将来の夢として情報系(主にクラウドやIoT系)の仕事を行うという感じなので、メタバースに関心があるんですよね。まだ発達していない分野なので結構目をつけていたりします。

さて、とりあえずこのパラグラフではメタバースのシステムについて紹介していきましょう。

メタバースのイメージ

メタバースとは仮想空間を作り出すテクノロジーのことをさしているので、VR(Vertual Reality)と深い関係があります。

[dic term=”VR”]

VR、仮想現実を実現するため必要なものとしてヘッドマウントディスプレイがありますね。これを頭部につけ、現世界の映像を遮断して完全にデジタル映像だけを目に流すことができるようになります。これが仮想空間への入り口です。 多くのヘッドマウントディスプレイにはモーションセンサーなどがついていて、頭を動かした方向の映像をうつすことができ、本当に別世界で生活しているかのような感覚を得ることができます。例えば上のイメージ図のように、実際は部屋で立っているだけなのに専用器具をつけるだけで野原で散歩しているかのような感覚を得ることができるなど。。。 様々な空間に自分自身を転送することができる。そんな感じです。

このようなテクノロジーを実現するためには様々なセンサーが必要なのはもちろんのこと、仮想空間の映像自体もそこそこ繊細なものでないとリアリティーに欠けますので、相当な映像処理能力が必要となるでしょう。また、広い部屋など、VRを利用できる環境も必要になってきますので非常に高いコストがかかりそうです。

ただ、このような思想が登場したのは最近のことでもありません。正直、MMORPGなどのゲームをプレイしたことがある人ならだれでも想像つくテクノロジーでしょう。10年以上も前からデジタルを利用した仮想空間というものは多くの人が想像し、そして夢見てきました。ただし10年以上も前の技術では不可能に近く、夢のままだったといった感じですね。

そして映像技術などが発達してきた現在、現実的なものになってきていて、再び流行りだしたということでしょう。

メタバース事業に参入している企業

メタバースという考え方は多くの人によって想像されていると同時に、多くの企業が注目して実現に向けて取り組んでいます。私もメタバースについて真剣に取り組む会社を建てたいくらいです。。笑

そんな企業の一つに「Meta」などがあります。この企業はメタバース空間の実現に向けてVRのヘッドマウントディスプレイなどを開発したりしています。

また、「GREE」という企業なども同様にしてメタバースに取り組んでいます。大企業も目をつけている「メタバース」ですが、どちらかというとベンチャー企業が取り組んでいる分野といった感じですね。

メタバースの実現に向けて

メタバースの厳密な定義は存在しないので、諸SNSなどによって「メタバース空間」はすでに実現できているとみることもできるかもしれませんが、どうせなら、かの有名なソードアートオンラインのような空間を実現することを目標にしたいですよね。 ではSAOのような空間を実現するためには、具体的にどのようなテクノロジーが必要になってくるのでしょうか?

ここでは人間の五感などにも注目しつつ、考えてみましょう。

聴覚

多くの人が使っているスピーカーは2chといって右と左しか音源が存在しないものとなっていますが、人間の耳はかなり高性能ですので右、左だけでなくあらゆる方向からの音を識別しています。そのため、2chのスピーカーやヘッドフォンではリアルな空間は実現できないでしょう。 おそらく7.1chくらいは必要かもしれません。ただ、7.1ch程度ならすでに実現していますので、音に関してはかなり完成しているのかと思います。あとはデバイスが作る電子的な音をいかに自然の音に近づけるかどうかといった感じですね。

一つ問題点としては、やはり高性能なヘッドフォンほど本体が大きく・重たくなってしまいがちなので、いかにヘッドフォンをつけていない感覚にさせるかといった感じでしょう。

視覚

視覚が一番重要といってもいいでしょう。人間の視野はそこまで広くはないのかもしれませんが、立体的にものを見ることができるし、質感などをかなり細かく感じ取ることができます。とりあえずリアルにするためには、少なくとも視野の広さを持つディスプレイがVRゴーグルの中に内蔵されている必要があります。また立体感を出すために左右の目で微妙に異なる映像を表示しなければなりません。その辺は物理演算でどうにかなりますね。

それよりも、いかに画素密度を高くするか、また、いかに細かく3Dの映像を作成するかが重要になってきます。いくらでも細かくできるかもしれませんが、その分処理が重たくなってしまうことを考えると、やはり限界があります。3D映像処理能力は年々進化していますが、やはり現実ほど細かくものを表現できるようになるにはまだたくさんの時間が必要そうです。

もしも人間の脳とデバイスを融合することができるなら、視神経をデバイスとつなげて、仮想空間の映像を流すことができそうなものですが、そこまでくると倫理的にも物議が醸し出される上に、桁違いのテクノロジーが必要になってきそうです。

嗅覚

嗅覚もかなり重要です。正直視覚ほど優先順位は高くないかもしれませんが、一度新型コロナウイルスに感染して嗅覚を完全に失った時期のある私の意見としては、嗅覚がなくなって世界が変わったとかなんだとか。とにかく、仮想空間で人とコミュニケーションをとったり食事をする、、、のようなことをするのだとしたらにおいはかなり重要でしょう。 また、森に行った時のあのかすかな土のにおい、夜のにおい、雨のにおい、なども実現することができたら相当リアルに感じそうです。

ただ、においを再現することが一番難しいのではないかとも考えられます。世界のほとんどの色を3原色の混合率で表すことができるわけですが、においについては言ってしまえば400原以上あり、それらの成分の細かな組み合わせによって一つのにおいが生成されているとのことです。

もしもそれらのにおい成分をコンスタントに調達することができる上に、世の中のあらゆるにおいの分析を進めることができれば、機械からにおいを発することはできるようになりそうですね。実際にメロンは入っていないのにメロンの味がするジュースのように、実際には雨は降っていないのに雨のにおいがするデバイス、、のようなものもそのうち作り出されるのでしょうか。

味覚

もはや味覚はなくても良いと思いますが、実現できるのかどうかは気になるところですね。ただ、食事をするような場面をリアルに再現するとなると、なにかものを飲み込んでいる感覚を再現する必要があるかと思います。それと同時に食感なども再現しないといけないことを考えると、シンプルに本物の食べ物を食べるのが一番かと思いますね。視覚はゴーグルによって奪われているので、仮想映像の中で食べ物の映像を映しつつ、現実世界でも同じものを食べる。そういった感じになるのでしょうか。 そうなったら仮想空間の中で食事をする意味は特に感じられなくなるかもしれませんが、着色料などを使って無駄に食べ物の見た目を良くしなくてもよくなるのかもしれませんね。

触覚

触覚はかなり大事でしょう。体を覆っている皮膚という皮膚すべてに神経が通っていて、そのすべてが外界からの刺激を受け取って脳に伝えています。そう考えると、触覚の情報量が一番多いのかもしれません。そのため触覚を再現するためにはかなり大規模なデバイスが必要になるでしょう。全身を覆って、思い通りに全身を刺激することができる機械が必要でしょうか。 触覚は体の表面だけでなく、中にある臓器にも通っているので、さらに再現することが難しくなってきます。

慣性力・重力

重力は体のどこか一部分にかかる力ではなく、体を構成するすべての組織が受ける力です。もちろん体の内部の臓器等も重力の影響を受けます。そのため、地球上で逆立ちしたら頭に血が上ってくるし、息をするのが難しくなったりしますね。 これをメタバース空間で再現するには、同様にして地球の重力を利用するしかないです。つまり、メタバース空間内での自分の体の向きと同じ向きになるように、現実で回転式の椅子か何かに乗る必要があるでしょう。

重力はそのようにして解決ができるのでまだよいです。

しかし、例えばバスに乗っているとき、バスが発進したときに車内では自分は静止したまま(窓の外を見ない限り景色は変わらない) なのに、なぜか発進したことに気が付くでしょう。これは自分自身が地球上から見て加速度をもったことで現れた慣性力によるものです。この慣性力は重力と同じで体を構成するすべての分子に力を及ぼしますので、体の中にある感覚器官が反応して発進したことを感じ取ることができます。

仮想空間を実現するための、自分が乗っているデバイス自体を同じ加速度で動かせば済む話ではありますが、そのような機構を作るのは相当難しいでしょう。重力を利用してある程度疑似的な慣性力を作り出すことはできるかもしれませんが、重力は一定なので力の大きさを変えることはできません。これが最大の課題かと思われます。

そのため、メタバース空間内の世界には慣性力というものが存在しない(慣性は存在するが、それを感じ取ることはできない) という設定にするしかないということになりますね。

慣性力・重力を操作する機械

ここで私が今さっき考えた手法として、上のような装置を作成するというのがあります。人が乗る部分を直線移動させるのはスペース的にも、機械的にも困難なので、円を描こうという作戦ですね。そして人が乗る部分自体は360度あらゆる方向に向きを変えることができます。この円運動と回転運動をいい感じで組み合わせることで様々な向きの、様々な大きさの慣性力を作り出すことができるのではないかという意見ですね。ただ、深く考えなくともなんとなく限界があることくらいはわかりますね。

人が乗っている球の部分を「ゴンドラ」と表現するとしたら、この装置はゴンドラ自体の回転運動とゴンドラの円運動で構成されます。ゴンドラを基準とした座標をとる(非慣性系)とき、ゴンドラ自体には遠心力がかかりますし、コリオリの力というものもかかります。これらの力を利用してさらに複雑な慣性力を作り出すこともできそうですね。もしくは半径を大きくすることでこれらの力による影響を最小限に抑えることもできそうです。

また、ゴンドラがついているリング自体をさらに回転することができれば、遠心力を重力などで打ち消しあったりすることができるでしょう。どれほど自由自在にこの機構を動作させることができるかにもよりますが、割と高い可能性を秘めていそうです。

 

メタバース空間における物の価値

当然ながら、メタバース空間に存在するすべてのものは人間を含めてデジタルで構成されています。つまりいくらでも正確に複製することができるものだけで構成されているのです。だから例えばメタバース空間の世界で、コストをかけずに自由自在にいろいろな場所に行き、いろいろな景色を見ることができるということになりますね。また、メタバース空間で何か自分の作業部屋のようなものが構成できるとして、周辺機器などをコストをかけずにそろえることができそうです。現実では「鉄」などの資源が必要であったり、細かい回路を組む必要があったりするわけで、お金がかかってしまうのですがメタバース空間ではすべてがデジタルなので物に価値が感じられなくなってしまいそうですね。 しかしそうなってしまっては危険です。これはなんとなくCDなどのデジタル記録装置が登場し、音楽をどこでも再生して正確に複製することができるようになった時代に議論されたことと似ている気がします。

昔は音楽など、本人が歌っているのを目の前で自分の耳で聞かなけばならなかったわけですが、カセットテープやCDなどが登場していくらでも本人の歌声を複製することができるようになったわけです。しかしそうなったからといって複製したデジタル情報に価値がないというわけではなく、複製したものもまた本人の著作物になります。つまりデジタル情報自体に、本人が生で歌っているときのような価値を乗せているのです。

こうすることで人間のアナログな作品がデジタル化されてしまいつつも、本人を尊重することができる上に、経済を回すことができるのでしょう。 メタバース空間においても同じような考え方を取り入れるべきですね。メタバース空間における著作物はもちろんのこと、資源などについても何らかの手段で価値をつけるべきです。デジタルの世界だから資源を無限に出すことができると考えるのではなく、デジタルの世界ではデジタルの世界なりに制限を設けるべきですね。 そうでないとメタバース空間ないにおいてうまく経済が回らなくなるでしょう。

最も、そういった資源管理や物の価値についてはメタバース空間自体を提供している集団が決定するべきではありますね。要はMMORPGなどのゲームと全く同じですね。

ただ規模が大きいのと、より現実に近いリアルな世界ということで特定の企業による独裁的な管理はよろしくないですが。

 

いろいろ考えていると、今私たちが生きているこの「宇宙」のようなリアルすぎる空間をデジタルで作るというよりは、現実ではありえないような「ゲームの世界」で暮らしているかのような感覚を得ることができるというのがメタバースの本来の目的でもあるので、経済とか物価とか、そんな現実味の溢れすぎる議論をしすぎるのは意味がないという意見も出てきますよね。

メタバース空間で第二の人生を歩むととらえるか、ゲーム世界に入り込んでいるだけととらえるか、、 一体メタバース空間が私たちに何をもたらしてくれるか、まだよくわかりませんが、とりあえずテクノロジーが発達してくれることを願いましょう。 いや、私も何らかの形でそういったテクノロジーの開発に携わっていきたいと思います。


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